北田大策
dodd オーナー
1979年生まれ。レコード店にて16年店長を勤めたのち、明大前にてクラフトジンとラムのミュージックバーdoddを2022年にオープン。ダブとアンビエントを中心にレコードで選曲。レコードは4000枚程、ジンとラムは140種類程置いています。
Nat Birchall
『Drums In Dub』
Gilles Petersonもその才能を高く評価する、英国スピリチュアルジャズのサックス奏者Nat Birchallによるダブアルバム。本作は、”Dimensions Of The Drums”をリバーブやディレイなどのエフェクトを駆使して再構築したダブバージョン。その徹底したアナログ処理とローファイな質感は、まるで70年代のジャマイカの黄金期ダブ作品ではないかと錯覚するほどの仕上がり 。現代的なクリアさを排し、ヴィンテージサウンドの持つ神秘的なグルーヴを見事に再現している。
Purelink
『Faith』
シカゴのアンビエントテクノトリオPurelinkの新作がロサンゼルスのPeak Oilからリリースされた。今作ではWhatever The Weather名義でも絶大な支持を得ているLoraine Jamesが参加。前回までのデジタル主体の楽曲からアコースティックなテクスチャが加えられた今作は、ひんやりとした質感の中に温かみのある浮遊感を有した幻想的なダブアンビエント作品に仕上がっている。
U.e.
『Hometown Girl』
アメリカのアンビエント作家Ulla E. Strausが、よりパーソナルかつアコースティックな側面を強調するために、別名義U.e.として自身のレーベル”28912″より新作を発表。過去作と比べると、作家自身が演奏する楽器やヴォーカルの要素が中心となり、アコースティックな印象が強い。また、所々に現れる余白の使い方にダブ的な感覚も読み取れる。切なく、メランコリックな情感を、静謐な音響で包み込んだアンビエントフォークの秀作。
