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佐々木俊尚が選ぶ「2025年のベスト」3作品

佐々木俊尚
佐々木俊尚
文筆家/情報キュレーター
テクノロジから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く発信している。近著は、新しい登山のスタイルを提唱した「フラット登山」(かんき出版)。現在、10年ぶりに刊行する料理の本を準備中。東京・長野・福井の三拠点移動生活者。

ぶっ恋呂百花
「貴方を誘う」

ブッコロとは物騒な名前だが、アイドルグループNMB48出身の木下百花が現在名乗っている名義。アルバム『幽霊のように』に収録されているこの曲は、美しく静かなメロディとノイズが混じりあい、まるでルー・リードかノイズのレジェンド灰野敬二かというおもむき。音楽性の異様な高さにノックアウトされる。


グソクムズ
『SCRATCH』

長く続くシティポップのブームの中から出てきて、はっぴいえんどの再来とも言われるグソクムズ。不思議なバンド名は、ビートルズのカブトムシを海に棲む甲殻類のグソクムシに置き換えたものか。もはやはっぴいえんどの域は超越して、令和時代の日本人の心情をたおやかに表現しストレートにわたしたちの心に刺さる。


スーパー登山部
「燕」

メンバー全員が実際に登山をしながら音楽活動もしているという希有な存在。山をテーマにして歌うだけでなく、北アルプス白馬岳の山小屋でライブコンサートも開いた。素直で美しいボーカルと、素朴で親しみやすいメロディーは、1960年代のピーター・ポール&マリーを思い出させる。心がひたすらなごむ音楽だ。

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