ARBAN

千駄木雄大が選ぶ「2025年のベスト」3作品

千駄木雄大

1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、連載記事「ジャムセッション講座」(ARBAN)、「奨学金返してたら生活こうなった(東洋経済オンライン)など執筆。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)、原作を担当したマンガ『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』(祥伝社)がある。

春ねむり『ekkolaptómenos』


「黙るな。怒れ。抗議しろ」――。春ねむりはこの国が突き進んでいる排外主義に対し、音楽で闘うライオット・ガール。本作のサウンドは、教会音楽のように荘厳でありながら、その電子音はどこかローファイ。怒りと難解な単語が頻出する哲学的な歌詞はキャッチーで、彼女のアティチュードそのものに引き込まれていきます。


King Gizzard & The Lizard Wizard『Phantom Island』

本作は、オーケストラとのコラボによる重厚なサウンドが特徴。ミュージカルのようにヴォーカルが次々に交代し、展開は次第にカオスへと向かっていきます。当初はSpotifyのおすすめで偶然耳にしてハマったのですが、バンドは7月、軍事企業に出資したSpotifyへの抗議として、ほとんどの楽曲を引き揚げました。


Black Country, New Road『Forever Howlong』

ロック、ジャズ、クラシック、フォークなど、縦横無尽なサウンドが全編にわたってドラマティックな展開を見せる、非常にハッピーなアルバムです。「牧歌的」とは、まさにこのことを指すのでしょう。実は12月に来日ツアーを行っていたのですが、そのことを知らず、当日はメタルバンドのライブに行っていました。

ARBANオリジナルサイトへ
モバイルバージョンを終了