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【review】驚異の新人! ブライオニー・ジャーマン・ピントが放つジャジーなソウル

シルキーでソウルフルな歌声に酔う

よいアルバムというのは、プレイボタンを押してすぐに確信できることが多い。

シンガーソングライター、Bryony Jarman-Pinto(ブライオニー・ジャーマン・ピント)の1st.アルバムは、スキャットの「For The Birds」で優しく始まり、2曲目の「As I’ve Heard」になった瞬間、”これはヤバい”と前のめりになる。そのまま、13曲・43分という時間があっという間に過ぎていくだろう……。

「艶」と「高貴」さが感じられる天性の歌声、それはシャーデーを彷彿とさせる。詩的で難解な歌詞の意味がわからなくても、上質な空間でゆっくりと過ごしているような気分にさせられるのだ。そして、ソウルフルなジャズ、フォーク、エレクトロ、ネオソウルといった要素が、完璧なまでに溶け込んだオーガニックな”生音”も心地いい。ハイエイタス・カイヨーテやムーンチャイルド好きなら、間違いなくグッとくるはずだ。

ジャズ・ミュージシャンの両親のもとで育つ

ブライオニー・ジャーマン・ピントは、両親がジャズ・ミュージシャンという家庭に生まれた。8歳よりロンドンからイギリス北西部のカンブリア州に移り住み、幼少期からジャズを中心とした音楽に囲まれていたという。また、母親と共に歌のワークショップにも参加していた。

その後、地元でバンド活動をするなかで、今作の共同プロデューサーでありレーベルメイトのWerkha(Tom Leah)と出会う。ちなみに、Werkhaはソウルフルなエレクトロニカを得意とするトラックメーカー。

しかし、ブライオニーはグラスゴー美術学校へ進学し、音楽ではなくアートの道へ。それを引き戻したのが、前述のWerkhaなのだ。彼はこれまでに、彼女をフィーチャリングした楽曲をいくつも作っている。

ライブを観に行きたくなるアーティスト

2015年に音楽活動を再開させた、ブライオニー・ジャーマン・ピント。彼女はクロスオーバーなサウンドと自身のスタイルを探求するなかで、ジャズに強く影響を受けてきたことを再確認していく。また、即興を重要視したライブをおこない、そこには母親の影響があると自身で語っている。今後コラボレーションしたいアーティストとして、Sampha(サンファ)と並び、黒田卓也の名を挙げている点にも注目だ。

何度も聴いているうちに、昔から持っていた名盤アルバムのような気分になってくる一枚。すぐにでもライブを観に行きたくなる驚異の新人! まずはご一聴ください。

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