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ジョン・スコフィールド『Past Present』

1980年代から現在に至るまで、コンテンポラリー・ジャズ・ギター・シーンをリードし続けてきたジョン・スコフィールド。近年は、メデスキ・マーティン&ウッドやガヴァメント・ミュールと共演するなど、その活動の幅をさらに広げている彼だが、このアルバムは、そんな彼が1990年代前半に率いていたレギュラー・カルテットを再結成した作品。ジョー・ロヴァーノ(Sax)とビル・スチュワート(Ds)という当時のメンバーに、ラリー・グレナディア(B)を加えてレコーディングされている。当時のカルテットのサウンドをさらに進化させたような真摯なジャズ・アルバムになっており、ジョン・スコが水を得た魚のように、彼が考えるジャズ・ギターを思う存分プレイしている。ゴリゴリと弾きまくるジョン・スコのギターはやっぱり快感だ。盟友ロヴァーノとは、やっぱり今でもピッタリと息が合っているし、スチュワートの創造力溢れるドラミングもギターを絶妙にプッシュしている。実は2013年に、彼の長男のエヴァンが、がんのために他界しており、このアルバムはそんな長男にも捧げられているという。自分の原点を見つめ直し、さらには家族に対する愛情もストレートに表現した、まさにジョン・スコの“自分回帰”ともいうべき、真摯で、深い作品だ。

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