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【休日の過ごし方】曇りの日は、ポエトリーなダブと薬草酒で


休日、ゆったりとした気分で音楽を楽しみたい。そこに合わせる素敵な一杯は? そんな音楽とお酒のマリアージュを楽しむ連載。第6回目は『コントン』のオーナー、福田達朗さんにセレクトしていただきました。

苦味の奥にあるハーブの香りを楽しむ

フェルネット ブランカ

音楽を聴きながら楽しみたいお酒ってなんだろう? 休日はそんなにカラダをいじめたくないし、雰囲気も楽しみたい。そんなときは、イタリアの薬草酒である「フェルネット ブランカ」だなって思ったんです。

一般的にビターリキュールやビターズと呼ばれるもので、強烈な苦味がありながらも、何十種類と薬草が漬け込まれているので複雑な味が楽しめる。ヨーロッパにはこの手のお酒が各国にあって、有名なのはカンパリ。ほかにもドイツのウンダーベルグなどがありますが、ほぼ胃薬のような味がします(笑)。

「フェルネット ブランカ」は、1845年にイタリアで誕生したビターリキュールの代名詞ともいえる存在。深い苦味と、そのあとにくる27種類のハーブの香り、最後は爽やかミントが口に広がっていく。暑い季節はロックで、これからの季節はストレートがいいですね。でも、飲み慣れていない方にはコーラ割りがおすすめです。 アルコール度数が39度あるので、ちびちびと飲んでいると、ふわ~っと気持ちよく酔えるんですよ。お店では意外にも女性に人気があって、とくに甘いものが苦手な方が気に入ることが多いです。

ダブ&ポエトリーの気だるい心地よさ

レスリー・ウィナー『ウィッチ』

曇り空の休日、遅めの昼食をとって夕方へと向かっていく時間帯。ソファの上で食後酒の「フェルネット ブランカ」を飲みながら聴きたいのは、レスリー・ウィナーの『ウィッチ』。

レスリー・ウィナーは、1980年代初頭からNYでファッションモデルとして活躍した女性です。ジャン=ポール・ゴルチエは、彼女を「最初の両性具有モデル」と表現したとか。同時期に、このジャケットにも起用されているジャン=ミシェル・バスキアとも交流があったみたいです。

その後、彼女はモデルを辞めてロンドンに移住。ナイトクラブに出入りするなかで、PiLのオリジナルメンバーであり、ベーシストのジャー・ウォブルなどと一緒に作ったのがこの『ウィッチ』(1993年)。簡単に言うと、ダブとポエトリーな一枚。 トリップホップの始祖のようなサウンドで、のちに登場するトリッキーとかのサウンドに近いです。とはいえ、あそこまでダークではなく、黒くもない。うっすらとリズムを取りながら、ぼーっとできるのが魅力です。

僕が買ったのはリ・イシューされた1999年ですけど、枚数が少なかったこともあって、一時はかなりの高値が付いていました。


福田達朗 | Fukuda Tatsuro
三宿(東京都世田谷区)の飲食店「Kong Tong(コントン)」オーナー。 六本木WAVEやエル・スール・レコードを経て、2003年にふたりでコントンを立ち上げる。食事もお酒もカフェも充実させることで、ひとつのカテゴリーにとらわれることなく、お客さんが自由に利用できるお店を目指している。オープン時から小松音響研究所の真空管アンプを設置している点にも注目。

・店舗名 /コントン
・住所/ 東京都世田谷区池尻3-30-10 三旺ビル5F
・営業時間/[月曜~土曜] 11:30~16:00、18:00~26:00(ドリンクL.O) [日曜・祝日] 18:00~26:00 (ドリンクL.O)
・定休日/不定休
・電話番号/03-5431-7329
・オフィシャルサイト/http://www.garlands.jp/kongtong/

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