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ブランドン・コールマン『Self Taught』

ロサンゼルスのさまざまなセッションに参加し、昨今はカマシ・ワシントン、サンダーキャット、フライング・ロータスらのアルバムでもその鍵盤プレイが聴けるブランドン・コールマン。彼のソロ・アルバムは、そのカマシやサンダーキャット、そしてミゲル・アトウッド・ファーガソンら親交の深い面々を交え、今熱い注目を集めるロサンゼルス・ジャズ・シーンの力が結集された。とは言っても、伝統的なジャズに固執せず、むしろファンクやソウルと交わったクロスオーバーな作風だ。全編にわたるヴォーコーダー使いをみても、1970年代のハービー・ハンコックやスティーヴィー・ワンダーの影響が大で、また同じロサンゼルスで活躍してきたスタンリー・クラーク、ジョージ・デュークらフュージョンの先人らの姿をダブらせることもできる。ピアノ、ローズ、クラヴィネット、オルガン、シンセなど各種鍵盤を組み合わせ、さらにベースやギターも演奏する多才さに加え、「Church Sock」のようなファンキー・フュージョンから、フューチャリスティックなコズミック・ファンク「The Spaceship Is Leaving」、ブギー・タッチの「Moon Butter」、モータウン調のポップな味わいの「Gotta Be Me」とさまざまなナンバーを作曲するコンポーザーとしての才能も詰まったアルバムだ。

 

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