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Various Artists『We Love Disney』

ディズニーナンバーのカバーは、ミュージシャンにとってある種の”鬼門”と言えるかもしれない。ランディ・ニューマンをはじめとしたニューマン・ファミリーが活躍する原曲のクオリティは極めて高く、世界的な評価を得ている。要するに、やりにくいのだ。今までもジャズ・カバーなどが数々発表されて来たが、なんとも冗長な演奏で…。
そこにこの『We Love Disney』がリリースされた。1曲目、NE-YOの「フレンド・ライク・ミー」を聴いた瞬間に、このアルバムは過去のカバー・アルバムとは異なると感じるだろう。アレンジが、ボーカルが良い意味で強く主張しているのだ。
行儀の良い、万人向きの演奏を聴きたいならば原曲を聴けば良い。カバー・アルバムに期待するのは「私ならこうやる」のアーティスト的主張だ。NE-YOのヒップな『アラジン』のほか、フォール・アウト・ボーイのワイルドな『ジャングル・ブック』も良い。ケイシー・マスグレイヴスは往年の名作『メリー・ポピンズ』から「ひとさじのお砂糖」をカバー。シャーマン兄弟の名曲がモダン・カントリーで蘇った。優れた楽曲が、最新のアレンジとボーカルを得て、現代のリスナーに改めて響く。これこそがカバー・アルバムの愉しみだ。

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