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スナーキー・パピー『Family Dinner Volume Two』

“ナナメってる青二才”と名付けられたテキサス出身の無国籍サウンドを追究するユニットが、名実ともに世界の音楽シーンをリードする存在であるとして知れ渡ることになったのは、結成10周年となった2014年にリリースした『ファミリー・ディナー vol.1』収録曲の「Something」がグラミー賞を受賞したからだ。本作はタイトルどおりその第2弾だが、インストゥルメンタル畑のトンがったサウンドでヴォーカルとは距離を置いていたはずの彼らが方針転換をした背景には、周到な戦略が準備されていたというのが、ようやくこの続編の登場で浮かび上がってきた。もちろん続編の制作は“vol.1”と付けられた時点で計画されていたわけだが、“vol.1”で仕込まれていた“スナーキー・パピーらしいヴォーカル・コラボ・アルバムを作る”というコンセプトが見事に成功したことが大きな後押しとなっている、というのがまずその背景だ。
そしてポイントとなる彼らの“らしさ”とは、“伴奏ではなく一体化したサウンド”を具現し、“服従ではなく敬愛を交感できる関係性”を築くこと。それが、スナーキー・パピーの考える“ファミリー”であり、音に込めて世界へ発信しようとしているメッセージであることを、この“vol.2”がさらに力強く後押ししているーーというのが“周到な戦略”であり、彼らが支持される理由にも深く関係している。

■Universal Music
http://www.universal-music.co.jp/snarky-puppy/products/uccu-1505/

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