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ボン・イヴェール『Bon Iver(Japan Tour Limited Edition/来日記念盤)』

世界中の音楽ファンを魅了した2011年の傑作が、スタジオ・セッション音源を追加してリイシューされた。シンプルな音色で儚いディレイのかかったエレクトリック・ギター、音数の少なさが逆に広大な平原を感じさせるバンド・アレンジ。私が思い出したのはジョニ・ミッチェルの名盤『逃避行(Hejira)』(1976年)の音像空間と、彼女が雪原に佇むジャケットだった。セカンド・アルバムにしてジョニの歴史的名盤に近い印象を残したボン・イヴェール。それは本作の制作背景と無縁ではないだろう。レコーディングはアメリカ中西部ウィスコンシン州の田舎町フォールクリーク、中心人物ジャスティン・ヴァーノンのホームタウンで行われた。州のどこにも山がなく、それでいて冬は雪に閉ざされる。そんな場所で創られた自分を見つめる音楽。都会では生まれ得ない、遥か地平線までも感じさせるサウンドだ。インディーズ作品ながらグラミー賞最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴミュージック・アルバム賞を受賞した奇跡の一枚。

■Hosstes
http://hostess.co.jp/boniver/

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