Q-Tipのプロジェクトにも参加するニューヨーク在住の日本人キーボーディスト、YUKI HIRANOの初リーダー作。彼は2014年にリリースされたマーク・ジュリアナの『My Life Starts Now』に参加し、そのサウンドの中核をなしているが、本作でもその流れを汲んだエレクトリックなサウンドを聴くことができる。ドラムとギターをメインとしたトリオ編成だが、彼のキーボードはメイン・フレーズ、ベースライン、中高音域のハーモニーを操り、大胆なムーグシンセやエフェクト使いによって小編成とは思えないほどの重厚感とメタリックな質感を漂わせる。エスペランサ・スポルディングのプロジェクトにも抜擢されるジャスティン・タイソンと、タリブ・クウェリのドラマーとして活躍するダル・ジョーンズ、2人の最先端のドラミングを際立たせるトラックや、クリス・ターナー（ボーカル）、ビラル（ボーカル）、グレゴア・マレ（ハーモニカ）といったニューヨーク屈指のゲストを起用した歌心ある「John Connor」「revolution US」など、バラエティ豊かな曲の並びも面白い。