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トビアス・ヴィルデン『Artifacts/Scenes – Piano Works』

トビアス・ヴィルデン――この北ドイツの青年が奏でるピアノのサウンドは、たっぷりと余白のある、まるで行間を読ませるような音楽だ。牧歌的な雰囲気を滲ませながらも、音質はやや硬質でモダン。限られた音数で構成された楽曲は、儚いメロディの断片や、穏やかな和音、そして素朴なリフの反復による、まるで心象風景を一筆書きで描いたような音楽だ。
彼は独学でギターやピアノを習得し、インターネット上に作品を発表してきた。本作は2枚のピアノ・アルバムをコンパイルしたもので、24曲の短い楽曲が収められている。各曲の控えめな佇まいは、フェデリコ・モンポウ(20世紀スペイン・バルセロナ出身の作曲家/ピアニスト)の後期を連想させるような、ささやかだけれど洗練された輝きを放っている。ほかにもビル・エヴァンスを筆頭とする“間”を活かした音楽を奏でる人たちの系譜に属すると言える。常に高い美意識を感じさせる響きは孤独感を滲ませているが、それは南ドイツの人里離れたところで生活した経験や、そのときに目の当たりにした荒涼とした自然や風景に刺激されて生まれたものだからだろう。その“音風景”にはアンビエント的な瞬間も――。美しい旋律が堪能できる作品だ。

■オフィシャルサイト
https://tobiasw.bandcamp.com/

■Inpartmaint Inc.
http://www.inpartmaint.com/site/15858/

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