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マイルス・デイビス&ロバート・グラスパー『エヴリシングス・ビューティフル』レビュー

ロバート・グラスパーが、敬愛するマイルス・デイビスの音源をリミックスした作品。エリカ・バドゥ、スティーヴィー・ワンダー、ジョン・スコフィールドなどをはじめとする、ジャンルやスタイルを越えたアーティストたちが参加している。アーティスト名義が“マイルス・デイビス&ロバート・グラスパー”となっていることからもわかるように、これはただのリミックス・アルバムではない。グラスパーは、マイルスの音源を単なる素材として扱うのではなく、もしも自分がマイルスのグループに参加したら、もしくは、もし自分がマイルスをプロデュースするとしたら、という視点でこの作品に挑んでいるようだ。マイルスが残したグルーヴやサウンド感と、現代の自分たちの方法論や感性とを合体させることによって、新しいジャズをクリエイトしている。エリカ・バドゥのボーカルや、ラッパーたちのフロウがマイルスと合体し、そこにグラスパーの個性が加わることによって、21世紀のマイルス・ミュージックが、ここに誕生している。マイルスのDNAは、確実に彼らに受け継がれているのである。

■オフィシャルサイトURL
http://www.sonymusic.co.jp/artist/robertglasper/

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