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佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)が選ぶ 2019年ベストアルバム

佐々木俊尚_プロフィール
佐々木俊尚
作家・ジャーナリスト。テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く取材・執筆・発信している。

Brittany Howard
『Jaime』

「ジャニス・ジョプリンの再来」とまで言われたアラバマ・シェイクスのボーカリスト初のシングル・アルバム。最初の曲からネイト・スミスのドラムスにノックアウトされ、そのまま最後まで豪腕で連れて行かれる感じ。
ロックなんてジャンル分けにはもはや意味がないと言われて久しいけれど、ロックがもし望まれるべき進化をしていたらこんな音楽になってただろうってのをまさに体現してる。ネイトとロバート・グラスパーの参加がその理想を実現させたんだろうな。


 

さかいゆう
『Yu Are Something』

さかいゆうって軽めのポップス歌ってる印象があったんだけど、この最新アルバムはぐぐっとソウルに寄っていって、まったく違うグルーブを鳴らしてる。なにかのインタビューで「そのとき時にいちばんかっこいいものを詰め込む」って答えてて、時代の流れの中で行き着く場所に行き着いたんだろうなあと思った。こういう方向の音楽性ずっとずっと突き進んでいってほしい。


 

ROTH BART BARON
『けものたちの名前』

昨年もROTH BART BARONをこのベストディスクに選んだんだけど、この最高傑作にはまたも選ばざるを得ない。他のアーティストとはまったく違う、世界のどこにもない独自の音楽世界が屹立してる。それはとても孤高の音楽なんだけど、でも同時にこの音楽は「これからの時代における繋がりとはなにか」という切ない温かみを希求している感じがして、とても心揺さぶられる。

 

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