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【東京・新宿/Brooklyn Parlor】「人生における無駄で優雅なもの、ぜんぶ。」

音楽をよりよい環境で聴くために、こだわって作られたミュージックバーやジャズ喫茶などを紹介する本特集の第2弾は、Blue Note JapanがプロデュースするBrooklyn Parlor(新宿店)。「人生における無駄で優雅なもの、せんぶ。」というユーモラスなキャッチコピーそのままに、私たちの生活を豊かにしてくれるもので溢れた温かい空間をご紹介したい。

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いまや新宿、大阪、博多、札幌と全国に4店舗もあるBrooklyn Parlorの第1号がこの新宿店だった。2009年9月に新宿三丁目のマルイにオープン。Blue Note Japanがどのような思いでこのお店を立ち上げたのだろうか?

Blue Note Japanが運営するBlue Note Tokyo、COTTON CLUB、Motion Blue yokohamaは、音楽を主体に食事を楽しむスタイルだ。しかしBrooklyn Parlorは、音楽、食事、本、アートが並列で存在する空間を楽しんでもらいたいという考えからできた場所である。そして、新宿という街を考えた時にアメリカ・ブルックリンで発展した音楽やアートなど独自のスタイルや地域性と似ていることに気付いたという。

「人生における無駄で優雅なもの、ぜんぶ。」という魅力的なキーワード。その中には、不便を愛するかのような考えが存在する。今やGoogleで調べればなんでも簡単、かつすぐに分かるいわゆる即時性が求められる時代だからこそ、本で調べたり、飾ってあるアートを眺めたり実際に流れる音楽に耳を傾けるといった、手間や時間がかかることを楽しむことが大切なのでは? というメッセージが込められているという。どこへ行っても同じような空間だからこそ、土地に根ざしたデイリーフードと、誰もが気楽に集まれる場所、そして厳選された音楽、アート、本。確かにBrooklyn Parlorは、現代において失われかけたものが存在する場所なのかもしれない。

棚に並べられている書籍は、購入することもテーブルで読むことも可能。書籍は、選書家幅允孝氏が担当をしている。音楽書籍も充実している。
展示されるアート作品にも注目してほしい。取材時は、オランダ・アムステルダムのグラフィティアーティストのゼッツ(ZEDZ)によるものが飾られていた。

 

Brooklyn Parlorは、日本で初めてブルックリン・ラガーをドラフトで提供したお店でもある。人気メニューのブルックリンラガーと肉の食感を残したジューシーなハンバーガー。
毎週火曜日に行われているのが、DJや著名人を招いてのイベントGood Music Parlor。6月には、須永辰緒、MURO、DJ KAWASAKIが出演したほか、チボ・マット(Cibo Matto)やアート・リンゼイ(Arto Lindsay)といったアーティストたちがBlue Note Tokyoでの公演を前にDJとしてイレギュラー的に出演している。ライブでは味わうことのできない音楽体験も魅力のひとつだ。
 Good Music Parlorでのイベントも、あくまで“音楽と食事、本、アートとが並列でいること”なのでDJブース前で音楽に乗る人も若干いるが、基本的に通常営業と変わらない。“思い思いにくつろぎの時間を過ごせる場”というコンセプトはそのままに、超一流DJ陣セレクトのGood Musicに包まれる、客にとって心地よい空間が作られている。

 Brooklyn Parlorは、場所的にバルト9で映画を見た帰りや、伊勢丹での買い物帰りにぴったりだと思う。むしろ、何か充実した時間を過ごした後に、ほっと一息つくのに最も適し、より豊かな時間への階段を1つ2つ上らせてくれる、そんな場所なのかもしれない。

 

 

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