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【東京・渋谷/LIVING ROOM CAFE by eplus】音楽とアートを身近に感じられるライブカフェ

 ライブチケット販売で知られるイープラスが、今年7月にオープンしたLIVING ROOM CAFE by eplus(東京都渋谷区)。単に食事を楽しむカフェやレストランでもなく、ライブを観るだけのライブハウスでもない、そんなライブカフェをオープンした理由とは一体何だろうか。
 分不相応のジャズクラブ、暗くて狭いライブハウス。そういった環境とは違う、現状の音楽シーンにないもっと身近に音楽やアートを楽しめる場所を作りたかったという。“アーティストが友人を招きもてなすLIVING ROOM”というコンセプト通り、「リビング」と名付けられたメインフロアを中心に、「ダイニング」「パティオ」「メインバー」「テラス・テラスルーム」の6つのエリアが存在する。レザーソファーの座り心地やクッションの肌触り、バーテーブルの椅子の高さにまでこだわり、過ごしやすさを追求した空間が広がっている。
 居心地のよい空間はもちろん、最大の特徴は、フロア中央に配置されたステージで行われるライブ。CDなどの作品に対価を支払う人が少なくなっている昨今、その活路を見出すために、アーティストが気軽にステージに立てる現場作りを心がけている。毎日のようにアーティストがライブを行っているが、会場代は一切ない。来店者から受け取るチャージやチップは、その日のアーティストにすべて還元。お店と来店者とでアーティストをサポートしていきたいという、イープラス代表取締役社長の橋本行秀氏の強い思いがあるようだ。

店内のいたるところにアートが溢れている。このウォールアートは、agnes b.のウィンドウなども担当したSAYORI WADAの作品。このほかにも、有名な街の写真を合成する写真家、P.M. Kenの作品も飾られていた。

グラストンベリー・フェスティバルなどで使用されているマーチンオーディオ社のスピーカーマネジメントシステムを常設。床面積1200平米、座席数300席という広い店内全体に音が届くように設置されている。

日本に2台しかないというドリップマシン「Ueshima Dripmaster 5000」で美味しいコーヒーを味わえる。このほかにエノマティック社のワインサーバーを設置するなど、ドリンク提供にもこだわりを感じる。

 

ギャラリーのように作品を発表できる場も提供。この日は、自ら紙で製作した立体模型をカメラで撮影する写真家、Hideo ANZEの作品が飾られていた。

多様なスペースがあることでその日の気分にあった過ごし方ができる。自由に席を選ぶことができるので、それぞれで色が違う空間を楽しみたい。

食事や会話を楽しんでる人もいれば、ライブを見ながら音楽に集中している人もいる。その自由度は客席とステージが溶け合うように作られているため。居心地がいいだけではなく、音質にこだわり適度なボリュームで楽しめるライブ音楽も、店内に自然と飾られたアートも、気負いなくカジュアルにお客の身近に存在しているということ。それがアーティストとお客の距離を縮めてくれる。これこそが、LIVING ROOM CAFE by eplusの魅力なのだ。

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