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【休日の過ごし方】都会の夜を感じるクラフトジンとキップ・ハンラハン

東京ファミリーレストラン、テヌジンクラフトジン、

休日、ゆったりとした気分で音楽を楽しみたい。そこに合わせる素敵な一杯とは? そんな音楽とお酒のマリアージュを楽しむ連載。第16回目は、世界30ヶ国以上の国と地域からセレクトした料理と、東京で作られるクラフトビール、600銘柄以上のクラフトジンが揃う『TOKYO FAMILY RESTAURANT(トーキョー ファミリー レストラン)』の三浦武明さんにセレクトしていただきました。

芳醇で官能的な香りをまとったクラフトジン

(フィンランド)
テヌ ジン

ジンというのはアルコールに草根木皮(草の根や木の皮)やハーブ、スパイス、花などを漬け込んで蒸留するお酒。そのエッセンシャルオイルを抽出するという工程から、「飲む香水」ともいわれています。使う素材の自由度が高く、さまざまな個性が生まれるため、各土地の素材や景色を閉じめることができる。その面白さが注目され、世界中で趣向を凝らしたクラフトジンが次々と登場しています。私が興味を持った約10年前は世界で約600種類あるといわれていましたが、今や6000種類以上といわれるほど拡大しています。

なかでも私が惚れ込んだのが、フィンランドの『テヌ ジン(TENU GIN)』でした。ジンに欠かせないジュニパーベリーを中心に、野薔薇、リンゴベリー、オリスなどが含まれた、芳醇で官能的で湿度を感じる重たい香り。香水のようにトップノート、ミドル、ラストノートまであり余韻が長く、しかし飲み口はすっきりとしていて淑女のようなクラフトジンです。

休日のイメージとしては「都会の夜」ですかね。仕事終わり、エアコンも電気も消して窓を開け、「クルマの音や喧騒、光、湿度」などを感じながら、自分と向き合うような時間にジントニックで飲みたい一本です。

都会の喧騒や湿度を感じる隙のないサウンド

KIP HANRAHAN
『BEAUTIFUL SCARS』

芳醇でいて湿度を感じるクラフトジンに合わせたいのは、サウスブロンクス生まれのプロデューサー/コンポーザー/パーカッショニストのキップ・ハンラハンの『ビューティフル・スカーズ(美しい傷跡)』というアルバムです。

ラテンのリズムとジャズを組み合わせたサウンドの中に、NYという「大都会の熱、汗、血」のような湿度が感じられる一枚となっています。以前はよりアバンギャルドでしたが、このアルバムはヴォーカル曲も多く、彼の内面にメロディが溢れ出てきたような雰囲気が感じられます。ラテンのスパイスがあるとはいえ遊びは1ミリもなく、ヌケ感がまっくない作品で、都会の密度を感じることができるのも魅力。それでいて官能的なので、やはり「夜」にフィットする一枚です。

景色や色が似たもの同士のマリアージュ

今回のマリアージュは、重たい空気や湿度を感じる点、都会的であることなど、フィンランドとNYではありますが共通点が多い点から選びました。「美しいバラにはトゲがある」みたいな感じですかね(笑)。

そして、両者ともに「景色が浮かぶ」というのも似ています。香りも音楽も目には見えないものですが、記憶に強く作用する。生まれた場所は違いますが、都会の夜を感じるふたつを組み合わせながら、甘美で孤独な時間を味わってみてほしいです。


三浦武明 | Takeaki Miura
株式会社フライングサーカス 代表取締役/GIN FESTIVAL TOKYO主宰
1974年生まれ。2000年に「HERE WE ARE marble」をプロデュースし、 カフェブームを牽引。 以降数々の飲食店プロデュースに関わり2005年に独立。2019年には世界30カ国以上の料理を提供する「TOKYO FAMILY RESTAURANT」をリニューアルし、600銘柄以上のクラフトジンをラインナップする「GOOD MEALS SHOP」と統合、同店舗内にジンの蒸溜所も併設予定。さらなるジンの普及と発展を目指し「ジンフェスティバル東京」を主宰、ジン専門アプリ「JUNIPER」もリリースした。

・店舗名/TOKYO FAMILY RESTAURANT(トーキョー ファミリー レストラン)
・住所/東京都渋谷区東1-3-1 カミニート20 3F
・電話/03-3797-3355
・営業時間/12:00~24:00(L.0.23:00)
・定休日/日曜
・オフィシャルサイト/https://www.flyingcircus.jp/tokyofamilyrestaurant
・インスタグラム/https://www.instagram.com/takeaki.miura/

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