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林 剛(音楽ジャーナリスト)が選ぶ2020年のベスト3枚

林 剛
音楽ジャーナリスト
R&B/ソウルについて執筆。これまでに『bmr』『Wax Poetics Japan』『bounce』『BLUES & SOUL records』『レコード・コレクターズ』『ミュージック・マガジン』『intoxicate』などの音楽誌、およびウェブメディアに寄稿。新譜や旧譜のライナーノーツをはじめ、書籍の監修/執筆も。『BLUES & SOUL records』誌にて現行R&Bを紹介する連載〈Sons Of Soul〉がスタート。

2020年は、豪華ゲストを招いたリーダー・アルバムを3枚選びました!

Salaam Remi
『Black On Purpose』

BLM運動の再燃で多くのプロテスト作品が出される中、本作はレミの”黒人音楽”人脈をフル活用したゲストの名前からして説得力があった。現状に即して再解釈されたJB、シル・ジョンソン、ビリー・ホリデイの名曲、特にナズのラップとジェニファー・ハドソンの歌によるウォルター・ホーキンス曲リメイク「Yonder」が心を鎮めてくれた。


Brasstracks
『Golden Ticket』

チャンス・ザ・ラッパーからBTSまでを手掛けるデュオにはガラント「Weight In Gold」のリミックスで虜になった。同曲で印象的だった緩やかで鮮やかなブラスの快音が全編に広がり、ネオ・ソウルやディスコなどが難しい顔をせず並ぶ本作は、僕が理想とするマスとコアの架け橋的なアルバム。タリオナ“タンク”ボールなど、ゲストも好感。


PJ Morton
『Gospel According To PJ:From The Songbook Of PJ Morton』

ゴスペルへの親近感が増す中、近年最も信頼を置いているR&B界の良心が満を持して放ったルーツ回帰作は、ゲストの人選も含め、このジャンルの作法を弁えた逸品だった。PJ自身のペンによる親しみやすい楽曲で、ヴェテランから新進気鋭までを(リモート録音だが)ニューオーリンズの教会に迎えたような滋味深いゴスペル・ガンボ。

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