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佐久間由梨(早稲田大学教授)が選ぶ「2022年のベスト」3作品

佐久間由梨

佐久間由梨
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
アフリカ系アメリカ人文学、ジャズ、フェミニズムを研究しています。2022年は、ジャズ文学、テイラー・スウィフトとフェミニズム、戦後日本の歌謡曲(江利チエミさんや美空ひばりさん)と原信夫とシャープス&フラッツをはじめとするジャズ・バンドの関係についても研究していました。

大西順子
『Grand Voyage』

大学生だったころから大西順子さんのファンです。『プレイ・ピアノ・プレイ』(1996)はもう何度聴いたことか。聴き手を別世界へといざない、オーディオで聴いていても、まるですぐそばに演奏している肉体があるかのように聴こえる。今年は『Grand Voyage』のライブにも行くことができました。思い出深い一年にしてくれた作品です。


Medicine Singers
『Medicine Singers』

ネイティヴ・アメリカンの儀式音楽を継承するグループが、イクエ・モリ、ララージ、今年39歳で亡くなったジェイミー・ブランチ等と共演する一枚(ジャケットのサイケな絵もブランチによるものです)。切れるような鋭さが持ち味のブランチのトランペットが、本作ではインディアン・チャントと共におおらかに響いています。


Cameron Graves
『Live from the Seven Spheres』

カマシ・ワシントンやサンダーキャットも参加した『Planetary Prince』(2017)と一緒に聴くと、本作(ライブ録音)の魅力がより伝わります。23分と長大、でも聴いてみるとあっという間にも感じる“The End of Corporatism”が好きです。ジャズ、フュージョン、メタル、クラシックが混淆する異世界・神秘系パワーサウンドが、なぜか懐かしく心に染みます。

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