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中野充浩(文筆家/編集者)が選ぶ「2022年のベスト」3作品

中野充浩

中野充浩
文筆家・編集者・コンテンツ制作者
近年はWebを中心に1000本以上のコラムを執筆・配信。「東京カルチャー研究家」としてTVやラジオで活動。著書に『デスペラード』(ソニー・マガジンズ)、『バブル80’sという時代 1983-1994 TOKYO』(アスペクト)、『うたのチカラ』(集英社)など。「東京ポップカルチャー50年史」を連載中(note)。株式会社ワイルドフラワーズ代表。

Taylor Swift『Midnights』

どの曲を聴いても、まるで「メタバースの中を浮遊する」ような感覚に包まれる。いつか見かけたはずの風景を走り抜け、時にダンジョンに深く潜り込み、気分次第で大空へ舞い上がる。そこは作り物の世界。でもどこか懐かしくて心地いい。前2作でリアルな森の中を彷徨っただけにインパクトは計り知れない。


The Petersens『My Ozark Mountain Home』

壮大な音楽の旅路に疲れた時、いつも帰りたくなる場所がある。それがルーツ・ミュージック。ピーターセンズはブルーグラスのファミリーバンド。家族の絆が育んだ珠玉のハーモニーはどこまでも優しくて、聴く者を安らかな眠りへと誘う。汚れた世界に生きる僕たちはママの歌に飢えている。


Miranda Lambert『Palomino』

伝説のグラム・パーソンズが蘇ってきそうなジャケット写真だけで、オン・ザ・ロード的世界観を確信。“アルバム”という概念が消えかける今、乾いた土埃の匂いを漂わせ、50分間の旅を描けるアーティストは果たしてどれだけいるのか。カントリー・ミュージックの色気と体臭を受け継いだ良質な1枚。

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