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佐久間由梨 が選ぶ「2023年のベスト」3作品

撮影/HIROKI YAMAGUCHI

佐久間由梨
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
アフリカン・アメリカン文学・文化、ブラック・フェミニズム、ジャズ、ポピュラー・ミュージックが専門。大学では「ジャズと文学」、「ジャズと人種」、「ジャズとジェンダー」をテーマに授業も担当。最近は占領期日本におけるジャズ受容をジェンダーの観点から研究しています。

Geri Allen, Kurt Rosenwinkel『A Lovesome Thing』

ジェリ・アレン(p)とカート・ローゼンウィンケル(g)による2012年のインタープレイ。リハーサルなしの即興だったにもかかわらず、あるいは、おそらく、そうだったからこそ、二人が心と魂をだんだんと開きあって、より深く、より親密に、互いへの尽きることのない敬意をこめてフロウしていくのが聴こえます。


Ambrose Akinmusire, Bill Frisell, Herlin Riley『Owl Song』

私は心を静めるプレイリストを作るのが好きで、Vernon Spring、Arooj Aftab、Brian Eno、Carlos Nino、 Laraaji、Julianna Barwick、 Bill Frisell…などを聴いています。今年最後にリストに加えたのは『Owl Song』。制度的人種差別による理不尽な死を悼むサウンドも生み出してきたアキンムシーレによる、鎮静と静寂の表現。


Madison McFerrin『I Hope You Can Forgive Me』

自分の声をその場で録音しながら伴奏を作り、たった一人でも歌いあげてしまうマディソンのサウンドからは、自信と自由、孤独と不安の両方が聴こえる気がする。黒人女性を過小評価する風潮がいまだに残るなか、自分の直感を信じることができなくなってしまう葛藤を音楽に表現しているとも語る。2月の来日が楽しみ。

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