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世界屈指のレコード天国─ 東京を感じるレコードショップ 10選


1990年代のDJブーム期と比べるとレコードショップの数は減少しているが、いまだ世界屈指のレコード都市である東京。近年は中古レコードを買い付けにくる外国人バイヤーも増えている。その一方で、独自のスタイルを貫くレコードショップも新たに生まれており、レコード人気再燃の気配を沸々と感じることができる。ここでは、新旧問わず東京に来たらチェックしておきたい個性派レコードショップを紹介していく。

総額650万円のシステムで試聴可能!
『GINZA RECORDS & AUDIO』

2019年3月、阪急メンズ東京がリニューアル! なかでも話題なのが、「ヴィンテージ&リバイバル」をテーマにした7Fフロアだ。ヴィンテージものの眼鏡、時計、インテリア、トイといった、成熟した大人たちの趣向にフィットするアイテムが並ぶ遊び心のある空間。その一角に『GINZA RECORDS & AUDIO』(通称:ギンザレコード)はある。

同店最大の魅力は、売られているレコードが高級オーディオで試聴できること。試聴室には、TADのスピーカーとアンプ、regaのレコードプレイヤー、PS Audioのフォノイコライザーといった総額約650万円のシステムが用意されていのだ。さらに、カートリッジの聴き比べも可能。取り扱っているレコードはオールジャンルながら、マイケル・ジャクソンやレディオヘッドなど、音楽史に残る名盤のLPが中心。レコードで音楽を聴いていた世代には懐かしい名曲たちに再会できる場所であり、アナログという言葉に新しさを感じる世代には、ワンランク上のレコード体験ができる場所となっている。銀座・有楽町エリアに出向いた際には、ぜひ足を運んで欲しいスポットだ。

GINZA RECORDS & AUDIO(ギンザレコード & オーディオ)
住所:東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7F
営業時間:11:00〜20:00
定休日:無休
電話:03-6252-5443
URL:https://twitter.com/ginzarecords


下北沢のレコードショップ兼カフェ・バー
『CITY COUNTRY CITY』

写真提供:CITY COUNTRY CITY

駅前の再開発でさま変わりした下北沢。象徴的だった南口はもう無いが、音楽、ファッション、演劇といったカルチャーが混在する独自の空気感は健在だ。 近年はカレー激戦区としても話題だが、10軒以上のレコードショップが密集するマニア垂涎のエリアでもある。なかでも、『CITY COUNTRY CITY』は食欲も満たされるレコードショップ兼カフェ・バーとして異彩を放っている。

写真提供:CITY COUNTRY CITY

駅から徒歩3分という好立地ながら、ビルの4階ということもあって、都会の喧騒を忘れさせてくれる穏やかな空気が流れる店内。フードのメニューは、パスタとデザートがメイン。オススメは明太子パスタとのこと。 同店のオーナーは、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん。ゆえに、日本の音楽や海外のロック、ポップスが中心と思いきや、ダンスミュージックのエッセンスが強いセレクト。買い付けは主にパリでおこなっているとか。店名はロフトクラシックスとしても有名なWARの楽曲「City Country City」に由来。NYクラブシーンの父ともいえるDJ、故デビッド・マンキューソも来店しておりサインも残されている。最近は外国人のお客さんも増えており、Crue-L Recordsなど日本のハウスが人気とのこと。

CITY COUNTRY CITY(シティ カントリー シティ)
・住所:東京都世田谷区北沢2-12-13細沢ビル4F
・営業時間:12:00〜25:00(月〜金)、11:00〜25:00(土、日、祝日)
・定休日:水曜
・電話:03-3410-6080
・URL:http://city-country-city.com/


「遠回りしてでも訪れる価値のある」レコードショップ
『Physical Store』

新宿から西武新宿線で約20分。下井草駅(東京都杉並区)近くにあるこの小さなレコードショップは、ミシュランガイドでいう2つ星。つまり、遠回りをしてでも訪れる価値のあるレコードショップのひとつだ。

2019年6月にオープンした同店は、世界中でプレイするDJであり、書籍『obscure sound: 桃源郷的音盤640選』の著者でもあるChee Shimizuさんがオーナーを務める。レコード棚には、自身がDJで使うことの多いオブスキュア(世に知られていない)なディスコ、ヨーロッパのジャズワールドミュージック和モノなどが並ぶ。DJと聞くとダンサンブルなものをイメージするが、ここにあるのはリスニングミュージックが中心。Cheeさん自身は、ジャズ・トランペッターのドン・チェリーに影響を受けているという。 もともとオンラインストア『Organic Music』を営んでいたChee Shimizuさんだが、いい音楽をネットで紹介し販売することに限界を感じ『Physical Store』をオープン。実店舗では、「ネットでは感じられなかった人との繋がりや広がりを実感している」と語る。店内には奥さまが扱う雑貨やレディスのアパレルもセレクトされており、カップルで楽しめるお店となっている。

Physical Store(フィジカル ストア)
・住所:東京都杉並区下井草4-32-17 第一陵雲閣108
・営業時間:15:00〜21:00、13:00〜21:00(土曜・日曜・祝日)
・定休日:火曜
・電話: 050-1428-8756
・URL:http://organicmusic.jp/


ファッションデザイナーが手がける洗練された空間
『Adult Oriented Records』

都内屈指のグルメタウン代々木上原。センスのいい大人が集まるこの街のレコードショップは、やっぱりスマートな空間だった。ピンクの壁にグレーの什器で統一された店内。マルセル・ブロイヤーの椅子をリメイクした7インチレコードのボックス棚、カウンターに置かれた美しい花瓶、床に積まれたポップなブラウン管モニターなど、「50年代の色使いをリバイバルし、80’s 感をできるだけシンプルに内装に落とし込みました」とオーナーの弓削匠(ゆげたくみ)さん。彼はファッションデザイナーや、アートディレクターとして活躍している。

取り扱うレコードは、ヨーロッパのAOR、ディスコ、ジャズ、和モノが多い。コンセプトは「ジャンルレス&大人目線のレコード」。ここでいう大人とは、「ジャズの素養が入っている音楽であり、洗練された音作りのことを意味する」とか。また、Tomoyuki Tanaka(FPM)をはじめとする、優れた選曲眼を持つ著名人たちの私物レコードを販売する棚が用意されている。同店はレーベルも運営しており、シンセ/キーボード奏者として活動するYushi Ibukiによるソロプロジェクト、Naive Superのレコードをリリースしたばかり。

Adult Oriented Records(アダルト オリエンテッド レコーズ)
・住所:東京都渋谷区元代々木町10-7 代々木五月ビル 102
・営業時間:14:00〜21:00 ※変更あり。インスタグラムを要確認
・定休日:不定休
・電話:03-5738-2045
・URL:https://www.instagram.com/adultorientedrecords/?hl=ja


「音楽のある豊かな暮らし」を提案
『BEAMS RECORDS』

写真提供:BEAMS RECORDS

10代の街のイメージが強い原宿にありながら、昭和の雰囲気も残る通称とんちゃん通りに位置する『BEAMS RECORDS』。白を基調とした店内には、音楽だけでなくオーディオ製品や書籍アクセサリーアパレルなどが並び、「音楽のある豊かな暮らし」を提案している。レコードに関しては、サウスロンドンから発信されるジャズやエレクトロニック・ミュージックなどの旬な音楽から、ワールドミュージックのレアな再発物まで幅広くラインアップされている。オーディオ製品では、5000円台のカセットプレイヤーや、グラスゴー発のイヤホンRHA。アパレルでは、東京育ちのクリエーター集団HOLE AND HOLLANDのアイテムが人気となっている。

BEAMS RECORDS(ビームス レコーズ)
・住所:東京都渋谷区神宮前3-25-15 1F
・営業時間:11:00 – 20:00
・定休日:不定休
・電話:03-3746-0789
・URL:https://www.beams.co.jp/beamsrecords/

 

世界中の土着的なグルーヴに出会える場所
『GLOCAL RECORDS』

渋谷から原宿にかけ、アパレルショップや飲食店が約1キロにわたり建ち並ぶキャットストリート。その渋谷側に、ブティックホテルTRUNK (HOTEL)ができたことでオシャレな旅行客も数多く行き来するようになった。そんな注目のエリアに『GLOCAL RECORDS』はある。主なセレクトは、ブレイクビーツダブテクノ。とくに注目したいのは、それらのジャンルにアフリカやラテン、オリエンタルの要素を加えた「ORGANIC GROOVE」というコーナー。店主のオススメは、世界中の音楽をサンプリングして調理する日本人ユニットOBRIGARRD。ここに来れば、世界中の土着的なグルーヴに出会える。

GLOCAL RECORDS(グローカル レコーズ)
・住所;東京都渋谷区神宮前5-23-5 サンキエームA 3F
。営業時間:14:00〜20:00(月〜金曜)、12:00〜17:00(第2・4・5土曜)、12:00〜19:00(日曜、祝日)
・定休日:不定休
・電話:090-3807-2073
・URL:https://glocalrecords.com/


代官山で、知的好奇心を刺激する
『bonjour records』

1996年に代官山(東京都渋谷区)にオープンして以来、さまざまなムーブメントを牽引してきたレコードショップ。ひとつのジャンルに縛られることなく、国籍、時代を問わず「先鋭的なポップミュージック」をセレクトしている。音楽だけでなく、世界中の注目カルチャーが読み取れる書籍や、音楽とリンクしたアパレルを販売している。さらに、奥深く素晴らしいカルチャーとしてコーヒーも販売。オリジナルブレンドのコーヒー豆を開発し、一杯ずつハンドドリップで提供している。渋谷や表参道、新宿とも違った、代官山ならではのゆったりとした時間が流れるなかで、あなたの知的好奇心を刺激してみてはいかがだろうか。

bonjour records(ボンジュール レコード)
・住所:東京都渋谷区猿楽町24-1
・営業時間:11:00〜20:00
・定休日:不定休
・電話:03-5458-6020
・URL:https://www.bonjour.jp/


音楽とお酒好きが集う、居心地の良い空間
『Upstairs Records & Bar』

写真:則常智宏

ひよこさんの愛称で親しまれている永友慎さんが下北沢で営むレコードショップ&バー。彼は2000年代初頭にブルックリンで伝説的レコードショップ『Weekend Record』をオープンさせた人物。帰国後にオープンさせた、ひよこレコードも有名。店主独自の視点で選ばれるオールジャンルのレコードが並ぶ店内は、名だたるDJたちが買いに、回しに、そして飲みに訪れる。

Upstairs Records & Bar
・住所:東京都世田谷区北沢3-27-1 YSビル2階
・営業時間:17:00〜25:00(レコード販売は21:00迄)、21:00〜25:00(水曜)
・定休日:水曜(バーは営業)
・電話:03-6754-1052
・URL:https://twitter.com/upstairsjapan


立ち呑み屋とレコード屋が合体した!
『LIKE A FOOL RECORDS』

写真:高瀬竜弥

連載「いつか常連になりたいお店」でも紹介したことのある、立ち呑み屋レコードショップが合体したユニークなお店。店主がバンドマンであるだけでなく、『ライブハウスフィーバー』のある新代田(東京都世田谷区)に位置するだけにバンド好きのお客さんが多く集う。90年代以降のオルタナ、エモ、ハードコアが揃う店内は、飲みながら試聴も可能。居心地が良く、つい飲み過ぎてしまうことも。

LIKE A FOOL RECORDS
・住所:東京都世田谷区代田5-28-3 1F
・営業時間:19:00~24:00、16:00~24:00(土曜・日曜) ※曜日問わず14:00から開店することも
・定休日:無休
・電話番号: 03-6883-7180
・URL:http://listenandfood.red/


ドーナツ盤を売っているコンビニ
『レコードコンビニ Yショップ上総屋』

レコードを売っている、隅田川のほとりにあるコンビニ! 店内でイベントを行うこともあるというから驚きだ。もともとは飾りとしてレコードを置いていたところ、「売り物か?」と聞かれることが多かったため販売を開始。7インチの和モノを中心に揃え、レジでお酒を購入して飲みながらディグも楽しめる。イベントでは、あのレコード番長がコンビニDJとして登場したことも。

レコードコンビニ Yショップ上総屋
・住所:都内某所(住所は非公開。Google Mapで店名を入力すると導いてくれます)
・URL:https://www.instagram.com/record_conveni/
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