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【全曲試聴可】グラミー賞 2020 “ジャズ部門” 受賞作まとめ

LOS ANGELES, CALIFORNIA - JANUARY 26: Chick Corea & The Spanish Heart Band accepts the Best Latin Jazz Album award for "Antidote" onstage during the 62nd Annual GRAMMY Awards Premiere Ceremony at Microsoft Theater on January 26, 2020 in Los Angeles, California. (Photo by Timothy Norris/Getty Images)


米現地時間の1月26日、ロサンゼルスのステープルズ・センターで「第62回グラミー賞授賞式」が開催された。昨年11月のノミネーション時に大きな話題となった日本人のジャズ音楽家、挾間美帆(はざま みほ)は惜しくも受賞を逃し、同部門はブライアン・リンチ・ビッグ・バンド『The Omni-American Book Club』がグラミー獲得。

ちなみに、他のジャズ・カテゴリー(5部門)は、誰のどんな作品が受賞したのか…。各部門の受賞作を音源付きで紹介します。

最優秀ジャズ・アドリブ賞

● Best Improvised Jazz Solo
優れた即興演奏やソロ・パフォーマンスを讃える賞。アルバムではなく、楽曲(と演奏者)が対象。アドリブ演奏を重視するジャズならではの部門。

楽曲:「Sozinho」
ソリスト:ランディ・ブレッカー

対象となったのは、ランディ・ブレッカーの楽曲「Sozinho」。同曲の即興演奏(ランディ・ブレッカーによるトランペット演奏)がグラミーを獲得した。対象楽曲「Sozinho」は、ランディ・ブレッカーとNDRビッグバンドが共同名義で発表したアルバム『Rocks』に収録。ランディ・ブレッカーはこれまで19回のノミネートを受け、うち7回のグラミーを獲得。近年では、2005年と2013年に最優秀ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム。2008年には最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバムでも受賞歴がある。

 

最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞

● Best Jazz Vocal Album
ボーカル楽曲をメインにして作られたジャズ・アルバムが対象。原則として、新録されたボーカルの割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。

『12 Little Spells』
エスペランサ・スポルディング

ベース奏者で歌手としても活躍するエスペランサ・スポルディング。2006年のデビューアルバム以降、7作目となる『12 Little Spells』で受賞。2012年にもアルバム『ラジオ・ミュージック・ソサイエティ』で最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞を獲得しており、同アルバム収録の楽曲「City Of Roses」で最優秀インストゥルメンタル編曲賞も授与された。

 

最優秀ジャズ〈インスト〉アルバム賞

● Best Jazz Instrumental Album
ボーカルを使わず、楽器演奏(インストゥルメンタル)で構成されたジャズのアルバムが対象。原則として、新録されたインストゥルメンタル演奏の割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。ジャズ部門の中でもっとも歴史が古く、権威ある賞。

『Finding Gabriel』
ブラッド・メルドー

ピアニスト・作曲家として知られるブラッド・メルドーの最新作。アルバムタイトルは、聖書からインスピレーションを得てネーミング。楽曲の随所にコーラスが使用され、荘厳でスペイシーな雰囲気の一作。1995年のメジャーデビュー以来、20作以上のオリジナル・アルバムを発表し、過去10回のグラミー・ノミネーションを受けているが、ウィナーとなったのは今回が初。

 

最優秀ジャズ大規模アンサンブル・アルバム賞

● Best Large Jazz Ensemble Album
“大編成のジャズ楽団”による重奏(=ラージ・アンサンブル)作品を対象にした部門。楽団名義の作品や、コンポーザーの個人名義作などさまざま。今回、日本人作家の挾間美帆『Dancer In Nowhere』がノミネート。

『The Omni-American Book Club』
ブライアン・リンチ・ビッグ・バンド

トランペッターのブライアン・リンチが率いるビッグバンド作品。ブライアン・リンチはこれまでホレス・シルバー・クインテット(1982〜85)や、秋吉敏子ジャズオーケストラ(1982〜88)のメンバーとしても活動。2007年には「ブライアン・リンチ/エディ・パルミエリ・プロジェクト」名義で、グラミー賞ベスト・ラテン・ジャズ・アルバムを受賞。今回で2度目のグラミー獲得となった。

 

最優秀ラテン・ジャズ・アルバム賞

● Best Latin Jazz Album
南米音楽の要素を加味したジャズ(ボーカル/インストゥルメンタル問わず)が対象。これまでに、サルサやキューバ音楽をはじめ、アルゼンチンタンゴ、ブラジル音楽なども選出されている。

『Antidote』
チック・コリア & ザ・スパニッシュ・ハート・バンド

これまで幾度も “ラテン”に執心してきたチック・コリアが、ザ・スパニッシュ・ハート・バンドとともに発表したアルバム(詳しくはこちら)。チック・コリアは今回で23回目のグラミー獲得。ノミネートはなんと65回である。

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