投稿日 : 2025.07.23

NYのレコード店で「日本のフュージョン作品」が売れている

アナログレコード専門店「Face Records」(東京都渋谷区)が、米ニューヨーク・ブルックリンに構える直営店「Face Records NYC」の販売データをもとに、2025年上半期の「今、売れている邦楽レコードランキング(2025年版)」を発表した。

同レポートによると、10代〜30代を中心とした若い世代のアメリカ人リスナーの間で “日本のフュージョン/インストゥルメンタル作品” が注目を集めているという。実店舗での販売状況をもとに作成したランキングは以下の通り。

2025年版 Face Records NYC 人気邦楽レコードランキング】

1.CASIOPEA『MINT JAMS』(1982年)
2.高中正義『SEYCHELLES』(1976年)
3.高中正義『ブラジリアン・スカイズ』(1978年)
4.高中正義『虹伝説』(1981年)
5.CASIOPEA『カシオペア』(1979年)

ちなみに昨年にも同様のレポートを発表しており、以下のようなランキングだった。

2024年版 Face Records NYC店 人気邦楽レコードランキング】

1.山下達郎『FOR YOU』(1982年)
2.杏里『Timely!!』(1983年)
3.竹内まりや『VARIETY(ヴァラエティ)』(1984年)
4.松原みき『POCKET PARK』(1980年)
5.CASIOPEA『MINT JAMS』(1982年)

これまでは、いわゆるシティポップ作品が人気を集めており “80年代の歌もの” という傾向が強かったが、今年のランキングは70年代の作品が目立ち、インストゥルメンタル/フュージョン路線に人気がシフトしていることがわかる。2010年代に“再発見”されたシティポップをさらに掘り進めていくと、サウンドの傾向が似ているフュージョン作品へと食指が動いていった。そんな海外の音楽マニアたちの挙動がうかがえる。さらにギターの存在感が強い作品であることも興味深い。

同レポートでは「シティポップに通底する “邦楽特有のグルーヴ感” に魅力を感じていたリスナーたちが、また違ったアプローチが楽しめる邦楽フュージョン作品へと自然に関心を広げている印象」と分析している。