投稿日 : 2025.12.26
佐久間由梨が選ぶ「2025年のベスト」3作品

佐久間由梨
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教育学部 英語英文学科 教授
早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)副館長
Amina Claudine Myers『Solace of the Mind』

ACMの一員としてブルース、ジャズ、前衛など幅広いスタイルで演奏し、83歳となった現在もなお現役。内なる精神世界の深さ、外界に広がる無限の宇宙、そして彼女自身の祖先たちへと向かう旅路のようなピアノと声。べシー・スミスへのトリビュート『Salutes Bessie Smith』(1980)も素晴らしく、あわせて聴いてほしいです。
Linda May Han Oh『Strange Heaven』

ジェリ・アレンが若手女性奏者支援のために設立したオール・フィーメール・ジャズ・レジデンシーに参加し、バークリー音楽大学の准教授としてジャズ界のジェンダー平等推進にも取り組む。女性奏者に期待されがちなスィートでポップなサウンドとは対極の、クールでドライな世界観で魅了する。
Terri Lyne Carrington『We Insist 2025!』

「Freedom Is」という楽曲では、スポークン・ワード・ポエトリーによりさまざまな「自由」の定義が表現される。「自由は男性だけのものではない」「自由とは、美しいメロディを生み出すこと。創造するための空間を持つこと。そして、あなたの夫や父が、あなた自身にも夢があることを理解すること」
お知らせ
早稲田大学の国際文学館(村上春樹ライブラリー)は開館4周年を迎える文化施設です。早稲田大学の卒業生でもある村上春樹さんの「文学や文化の風通しの良い国際的交流の場に」という思いのもと、様々なイベントを開催し、芸術文化を愛する人々が集う場を育んでいます。
2025年は、国連が「国際女性デー」を制定してから50周年という節目の年、国際文学館では芸術分野における女性に光を当てるべく「女性ジャズフェスティバル」を開催し、展示、シンポジウム、ブッククラブ、コンサートを実施しています。
【女性ジャズフェスティバル】
https://www.waseda.jp/culture/wihl/news/11633
実施中・実施予定のイベント
特別展示「村上春樹さんのレコード棚より――女性たちのジャズ」
展示「黒人女性の文学とジャズ展――ブラック・フェミニズムをたどる」
◆会期:2025年11月13日(木)~2026年4月19日(日)
◆場所:早稲田大学国際文学館 2階展示室
コンサート&トーク「大西順子×ヤマザキマリ―自由を奏で、世界を描く」
◆開催日時:2026年3月3日(火)18:30-20:00
◆開催場所:早稲田大学 大隈記念講堂
◆入場:一般席:クラウドファンディングの返礼として席をご用意いたします。
学生席:(大学生・高校生・専門学生):無料でご招待いたします(先着順)。
国際文学館(村上春樹ライブラリー)は、みなさまからのご寄付により運営されています。今後も芸術文化を愛する人々が集うイベントを開催するため、クラウドファンディングに挑戦中です。
【クラウドファンディングの紹介サイト】
https://readyfor.jp/projects/wihl2025-2026
クラウドファンディングの返礼品として、コンサート&トークイベントのチケットに加え、村上春樹作品のためのイラストを手掛けたイラストレーター和田誠さんによるビリー・ホリデイとアニタ・オデイのイラストを特別にお借りした限定トートバッグとTシャツもご用意しています。
みなさまからのご支援により、誰もが偏見なく学び交流できる環境を充実させてまいります。みなさまの暖かいご支援を心よりお待ちしております。



