投稿日 : 2026.09.18
【ARBAN WEEKLY/今週の話題まとめ】ソニー・ロリンズとコルトレーン、唯一の共演盤に耳を澄ます
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今週は、二人の巨人が一度きり交わした共演盤の再発から、101歳のサックス奏者が今なお更新し続ける現在進行形の音楽まで、時間の幅そのものがテーマになるようなニュースが並んだ。ジャズという文化が抱える「継続」の意味を、それぞれの記事から読み解きたい。
1956年、一度きりの夜—ロリンズとコルトレーンの共演盤が甦る
Jazz Journal UKの新譜コラムに、ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンの唯一の共演を収めた録音『Tenor Madness』(1956年)のリイシュー情報が上がっている。二人は1956年、まだそれぞれが自身のスタイルを確立しきる前の時期に一度だけ同じセッションに立ち会った。これが二人の唯一知られている共演録音である。
この一枚が特別なのは、単に「二大テナーの共演」という肩書きのためではない。ロリンズとコルトレーンはその後、それぞれ全く異なる道をたどったことがジャズ史ではよく知られている。一般に、ロリンズはテーマを掘り下げる即興、コルトレーンはモード・ジャズを経てスピリチュアル・ジャズへと向かったとされる。まだ分岐する前の一夜の記録として、聴き直す価値がある一枚だと言える。
同コラムでは他にも、スピリチュアルジャズ系五重奏やヘンリー・パーセル解釈作、サティをめぐるトランスアトランティック・トリオ、ユセフ・ラティーフへのトリビュート盤が紹介されている。まずはこのロリンズ×コルトレーン盤を軸に、ジャズ史の “ある分岐点” を聴き直す機会として楽しみたい。
出典:https://jazzjournal.co.uk/2026/09/13/new-releases-august-september-2026-r-s
101歳、いまも更新される音——マーシャル・アレンの新作
UK Jazz Newsが、101歳のサックス奏者マーシャル・アレンによる新作『101 – an Audio Odyssey』をレビューしている。アレンはサン・ラ・アルケストラの長年のメンバーとして半世紀以上を過ごしてきた人物で、サン・ラの没後はアレンがバンドを率いる立場になった。
サン・ラが説いた「宇宙」という主題は、しばしば神秘主義や奇矯なパフォーマンスの側面ばかりが語られがちだが、その根にあったのは既存の音楽語法・楽器編成・演奏形態そのものを問い直す姿勢だった。
アレンが101歳になった今もアルバムを作り続けているという事実は、その姿勢が個人の意志を超えて、ひとつの音楽的伝統として続いていることを示している。ジャズ史の生き証人がまだ現役で鳴らしている、という一点だけでも記録に値するニュースである。
出典:https://ukjazznews.com/marshall-allen-101-an-audio-odyssey
グレッチェン・パーラト新作をガーディアン紙が賞賛
ジャズシンガーのグレッチェン・パーラトによる最新作『The Wise Ones』を、ガーディアン紙の評者ジョン・フォーダムが今月のジャズ・アルバムとして取り上げた。
本作では、フォークロックやジャズの影響を受けたマルチインストゥルメンタリストのアラン・ハンプトンや、パーカッショニストである夫のマーク・ジュリアナといった長年のパートナーに加え、ロバート・グラスパー、ミシェル・ンデゲオチェロ、ベッカ・スティーブンスといったゲストミュージシャンが参加している。
出典:https://www.theguardian.com/music/2026/sep/11/gretchen-parlato-the-wise-ones-review
チャールス・ロイド、インドとの対話を続ける理由
ジャズの長老チャールス・ロイドが、インド古典音楽の伝統との交錯を試みるプロジェクト「Sangam」の新作『Sangam & Friends』を発表した。Sangamは2004年から継続的に取り組まれてきたロイドのライフワークのひとつであり、今作でも複数の文化的背景を持つミュージシャンとの共演が展開されている。
ロイドはこれまでも、ジャズという語法の外側にある音楽的伝統との対話を繰り返し試みてきた奏者である。老境に差し掛かってなお、その探究を止めない姿勢は、ジャズという音楽が本来持っていた「異なるものを取り込みながら形を変え続ける」性質を体現しているとも言える。
出典:https://www.jazzthing.de/review/charles-lloyd-sangam-and-friends



