投稿日 : 2026.10.03

【ARBAN WEEKLY|今週の話題まとめ】キーファーがBlue Noteからデビュー/パリジャンとタブラの対話/スティービー・ワンダー名盤の未発表曲/ほか

ARBAN WEEKLY 2026年10月2日号の表紙背景。伝統楽器のシルエットとレコードの質感、遠景の小さな会場風景を重ねた抽象的な夜の情景。中央には文字が乗る余白がある。

エミル・パリジャン、タブラと交わる新作『Floating』

ヨーロッパジャズのソプラノサックス奏者として25年のキャリアを築いてきたエミル・パリジャンが、ACTレーベルから新作『Floating』をリリースした。ピアノのヤロン・ハーマン、ベースのリンダ・メイ・ハン・オー、そしてタブラ奏者プラブ・エドゥアールとの共演による本作は、古典音楽から世界音楽まで幅広い影響を吸収してきたパリジャンの語法が、非西洋の打楽器といかに対話するかを示す一枚だ。

France Musiqueのポッドキャストで語られた制作の背景によれば、この邂逅は偶発的なコラボレーションというより、長年培われてきた音楽的語彙の延長線上にあるという。ジャズがヨーロッパの文脈でどう自己更新を続けてきたか、その現在地を示す作品とも言えるだろう。

出典:https://www.radiofrance.fr/francemusique/podcasts/au-coeur-du-jazz/emile-parisien-6403447

コルトレーン生誕100年に、マルサリスとリーヴスが応えた新作

ジョン・コルトレーン生誕100周年を記念し、ブランフォード・マルサリス四重奏団とヴォーカリストのディアンヌ・リーヴスが、Blue Noteから新作『Dedicated To You』をリリースした。企画の出発点にあるのは、1963年の名盤『John Coltrane and Johnny Hartman』——テナーサックスとバラード・ヴォーカルという編成そのものを引き継ぎながら、長年の相棒であるピアニスト、ジョーイ・カルデラッツォらとの即興的なアレンジ作業を通じて、バラード解釈を更新したという。

生誕100年という節目に、過去の名盤をなぞるのではなく、その成り立ちに立ち返って新たな即興性を持ち込んだ点に、今回の企画の芯があるとも言える。既存の敬意の示し方とは異なる道を選んだ一枚として、聴き比べる価値がありそうだ。

出典:https://www.radiofrance.fr/francemusique/podcasts/au-coeur-du-jazz/branford-marsalis-quartet-dianne-reeves-eternellement-coltrane-8964069

ビートメイカー、キーファーがBlue Noteからデビュー

ロサンゼルスのビート・カルチャーと結びつきの深いビートメイカー、キーファーが、名門Blue Noteから『Memory Bomb』と題したデビューアルバムをリリースした。ジャズとヒップホップ、ロサンゼルスのビート・カルチャーを融合させた作品で、ジャジーヒップホップの現在地を示す一枚として評されている。Blue Noteという老舗レーベルがビートメイカーの作品を迎え入れた背景について、今後の展開にも注視したい一作だ。

出典:https://glidemagazine.com/330465/kiefer-turns-jazz-hip-hop-and-l-a-beat-culture-into-blue-note-debut-titled-memory-bomb-album-review

ニューオーリンズ、音と食が共存する理由

米国ニューオーリンズで、音楽と料理に関わる2人の共著による新刊『Rhythm & Roux』が出版された。著者のブライアン・ランドリーとピーター・ハリスは、著名なシェフと卓越した音楽家のコンビだ。

ニューオーリンズでは、音楽と食が別々の娯楽としてではなく、同じ場所・同じ共同体の記憶として息づいてきた。本書はその結びつきを、単なる郷土料理本としてではなく、ニューオーリンズの食と音楽がどのように共に進化してきたのかを描き出す。

出典:https://www.npr.org/2026/09/20/nx-s1-5940782/cookbook-rhythm-and-roux-brian-landry-peter-harris

スティーヴィー・ワンダー『Songs in the Key of Life』の未発表曲を公開

スティーヴィー・ワンダーがアルバム『Songs in the Key of Life』の50周年を記念し、同アルバムの膨大なセッションから未発表曲を収録したEPをリリースした。

1976年にリリースされた『Songs in the Key of Life』は、スティーヴン・ワンダーに3度目のグラミー賞最優秀アルバム賞をもたらし、「I Wish」「Isn’t She Lovely」「As」「Sir Duke」といった現代のスタンダードナンバーを収録。ハービー・ハンコック、ジョージ・ベンソン、ミニー・リパートンなど多くのアーティストが参加している。

出典:https://pitchfork.com/story/stevie-wonder-unvaults-four-songs-in-the-key-of-life-tracks

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