【perfect yasai pluck/パーフェクト・ヤサイ・プラック】チルアウト&レイドバックした極上インストファンク集団

取材・文/池谷修一 撮影/則常智宏

2018.06.19

perfect yasai pluck インタビュー

メロウかつファンキーな心地よさ。アーバンでチルアウトなムードも漂う、しゃれたサウンド。perfect yasai pluck(パーフェクト・ヤサイ・プラック)が初のフルアルバム『キミョウな休暇』をリリースした。

この名義では初アルバムとなる彼らだが、じつはこのグループ、BLU-SWINGの別名インストゥルメンタル・プロジェクト。ジャズをベースにAOR、シティポップにも通じる音世界で定評のあるBLU-SWINGの面々が「インスト」に的を絞り、何をしようとしているのか? まずはその契機から。

いつものモードを少しだけチェンジ

中村祐介(キーボード、以下、中村) インストのプロジェクトを発足しようと思ったのは、昨年の8月くらいで。そこから曲作りをスタートさせて。

宮本”ブータン”知聡(ドラムス、以下、宮本) これまでBlu-Swingのアルバムの中にも、ちょこちょこインスト曲はあって。それなりに評判は良かったんですよ。

中村 ただし、インストをメインにしたグループではなかったので、今回、インスト曲だけのアルバムを作るのは意外と大変でした(笑)。曲作りのプロセスもかなり違うので。

――でも、皆さんは、どちらかというとジャズ系というか、本来はインスト志向の人たちですよね。

中村 僕はジャズピアニストの坪口昌恭さんや坂本龍一さんに影響を受けて、がっつりプレイヤーという人よりも、演奏もするけれど作曲もする人に憧れを持ってきましたね。

宮本 僕の師匠は猪俣猛先生や、原信夫とシャープス&フラッツのドラマーでもあった稲垣貴庸先生。まさに日本のジャズシーンを築いてきた方々で、少なからずそういうところから頂いているものがあります。その一方で、小学生の頃から『ブルース・ブラザーズ』が大好きで。なので、ソウル、ファンク系とジャズ系の、両方のグルーヴが自分の中にはある気がします。

――その感覚って、まさに今回のアルバムの雰囲気に近いですね。蓮池さんもジャズから入った?

蓮池真治(ベース、以下、蓮池) 僕は元来ロックが大好きで、X JAPANが好きでベースを始めて。ジャズ、フュージョンの世界に入ってからは、マーカス・ミラー大先生にすごく憧れて研究しました。

――ウッドベースを弾き始めたのは、そのあと?

蓮池 ウッドベースは20歳になった頃ですね。ロン・カーターやマイルスのバンドのベーシストはすごく大好きで。perfect yasai pluckでは、彼らみたいに派手なプレイではなく、あえてシンプルなラインを心掛けています。

小島翔(ギター、以下、小島) 僕はもともとブルースやロックが大好きで、後にジャズやフュージョンが好きになって。かつてはテクニック志向だった時期もありますけど、今回のperfect yasai pluckではそこを度外視して、いかに心地よく聴かせられるかに重点を置きました。ラリー・カールトンやマーク・ノップラーなど、綺麗だったりメロウな音を出す人たちが好きですね。

――各曲の“表情”を形作る上で、特にギターの役割は大きい気がしました。

小島 そうですね。とにかく心地よく聞かせようという部分を大前提に持っていって、ふだんはメインではないストラトキャスターを使いました。

――ちょっと珍しい。ジャズやフュージョンだとあまり使わないですよね。

小島 音色がライトなんですね。Blu-Swingではレスポールがメインで重いんですよ。

――シブい音の選択には行かなかった。全体的にそういう指針だったのですか?

中村 メロディーで展開させず、ずっと同じループで繰り返すとか。あと、特徴的なところは転調しないとか(笑)。以前は作品の中にちょっと意地悪な要素を入れる傾向にあったんですが、今回はそういうものはなくてもいいと自然に思えて。そこは作曲家としてはかなり成長したんじゃないかなと(笑)。

宮本 ドラムで言えばBlu-Swingのときは もっとタイトで響かない音だったんですが、今回は全然ノーミュートで。ちょっと暴れるようなチューニングで皮を張っています。

蓮池 最初のデモで作ったトラックにシンセベースが入っていて、これがすごくいい音だったんですね。これを超える気がしないんだけど…なんて話をしたんですが、自分らしいベースでいいよと。人間味のあるプレイということが念頭にあって、中村もそういうディレクションをしてくれたんでしょうね。

――人力のセッション感みたいなものも伝わる音作りですよね 。

宮本 細かいプレイは極力避けました。蓮池君も細かいプレイが好きだから互いに追随してよくなくなることも多かったんですけれど。

蓮池 そうだね。だから、どしっと構えて、本来のベースらしい役割をしようと思いながら録りました。

――それぞれの声がよく聴こえる音楽、という感じですかね。

中村 7曲目の「Paradise」は、アルバムの雰囲気を決定した曲かもしれないです。Blu-Swingではありえないぐらいシンプルで。力まず、心地よい世界観。こういう曲をもっと増やしていこう、と感じて、このアルバムの方向性が定まりました。

――ゆったり楽しんでもらいたい音源ですよね、アルバムのタイトルも「休暇」ですし。

小島 僕でいうと、4曲めの「Radiant」という曲ですね。初めてスライドギターを前面に出しました。

――インプロ的な部分はかなり多いんですか?

宮本 ほぼそうかもしれないです。5曲の「Door」はlittle Tempoの土生”TICO”剛さんのスティールパンが入っていますが、とりあえず譜面も何もない中で弾いていただいて。基本的には、お任せでしたね。それぞれの曲が短いし、わかりやすい起承転結も特にないんです。

中村 去年好きで特に聴いていたのがトミー・ゲレロなんですよ。車のなかでいちばん自然に聴けたんですよね。

――なるほど。クリアーなレイドバック感というか、perfect yasai pluckに通じていますね。

蓮池 みんないいところでシンプルになって、そこに空間ができていて。その空間が気持ちよく演奏できた。その空間は埋めなくてもいい。そこが新鮮でしたね。

宮本 JABBERLOOPのトランペットの長友誠に「いいね!攻めてなくて好き! 今の Jジャズの感じに媚びなくて、 真逆の方に入っている。それができるのがニクいねって言われたんですよ(笑)。

中村 お、いいね!(笑)。それは是非、使わせてもらいましょう!

 

perfect yasai pluck
『キミョウな休暇』

 

 

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