投稿日 : 2020.06.21

ビヨンセ 新曲「BLACK PARADE」で黒人アーティストら支援

米国で1865年に奴隷制度が終わった日とされる6月19日。この日は「ジューンティーンス(Juneteenth)」と呼ばれ、 各地で様々なイベントが行われる。そんななか、人気アーティストで活動家のビヨンセが新曲「BLACK PARADE」を緊急リリースした。

黒人男性ジョージ・フロイドの暴行死事件で人種差別撤廃などを訴える運動「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)」が全米各地で広がる中、アリシア・キーズなど人気ミュージシャンらも新曲やメッセージを相次いで発表し、例年とは異なる記念日となった。

ビヨンセはインスタグラムに「ジューンティーンスの週末、おめでとう! 困難の中にあっても、喜びを分け合い、お互いを祝うことを続けてくれることを願います。私たちの美しさ、力強さ、そしてパワーを忘れないでください」とメッセージ。新曲発表は、黒人が経営するスモール・ビジネスを支援するのが狙いだと説明し,ホームページでは多くの黒人デザイナーや企業、レストランのサイトなどを紹介した。

 

「私は南へ行く/私のルーツが薄められていない場所へ」で始まる新曲は、夫のジェイ・Zらとの共作で、黒人の歴史や文化を称え、全米各地などで広がる抗議デモへの連帯を示すメッセージが込められている。歌詞には、14世紀に西アフリカで栄華を誇った王マンサ・ムーサや、黒人指導者マルコムXマーティン・ルーサー・キング牧師、主に1960〜70年代の活躍で音楽界に多大な足跡を残した黒人歌手カーティス・メイフィールドなどが登場。母親ティナ・ノウルズ、「ブラック・ライブズ・マター」にも参加する女性人権活動家タミカ・マロイの言及もある。

ビヨンセは2018年4月、米国最大のコーチェラ・フェスティバルに黒人女性初のヘッドライナーを務め、黒人の歴史や文化を全面に押し出した圧巻のステージの様子は、ネットフリックスで自らのキャリアを振り返ったドキュメンタリー『HOMECOMING:ビヨンセ・ライブ作品』として配信、大ヒットを記録した。

 

ジョージ・フロイド事件が発生した数日後に、ビヨンセはインスタグラムで、米国で繰り返される人種差別を糾弾するメッセージを投稿。フロイド事件や、3月にケンタッキー州の自宅で警官に殺害された黒人女性ブリアナ・テイラーの事件を巡って、法の裁きを求めている。

ビヨンセは、オバマ前大統領夫妻やレディー・ガガ、アリシア・キーズ、テイラー・スフィフトらが参加したオンラインの仮想卒業式「Dear Class of 2020」にも登場し、現在の状況を「人種差別のパンデミック(世界的大流行)」と指摘、「本当の変化はあなたたちとともに始まる」と訴えていた。

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