投稿日 : 2022.04.06

【2022年】第64回 グラミー賞「ジャズ部門」全受賞作を聴いてみる

「ラージ・ジャズ・アンサンブル」部門でグラミーを獲得したクリスチャン・マクブライド。

2022年(第64回)グラミー賞の受賞作が発表されました。その中からジャズ・カテゴリー(5部門)と、ジャズ系ミュージシャンの受賞作品をピックアップ。部門ごとに試聴リンクつきで紹介します。

「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」受賞作品

 Best Improvised Jazz Solo(最優秀ジャズ・アドリブ賞)とは?
優れた即興演奏やソロ・パフォーマンスを讃える賞。アルバムではなく、楽曲(と演奏者)が対象。アドリブ演奏を重視するジャズならではの部門。

楽曲:「Humpty Dumpty(Set 2)」
ソリスト:チック・コリア
収録アルバム:『Akoustic Band Live』Chick Corea, John Patitucci & Dave Weckl


「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」受賞作品

Best Jazz Vocal Album(最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞)とは?
ボーカル楽曲をメインにして作られたジャズ・アルバムが対象。原則として、新録されたボーカルの割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。

『Songwrights Apothecary Lab』
エスペランサ・スポルディング


「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」受賞作品

Best Jazz Instrumental Album(最優秀ジャズ〈インスト〉アルバム賞)とは?
ボーカルを使わず、器楽曲(インストゥルメンタル)で構成されたジャズのアルバムが対象。原則として、新録されたインストゥルメンタル演奏の割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。ジャズ部門の中でもっとも歴史が古く、権威ある賞。現在のところ最多受賞者はチック・コリア。

『Skyline』
ロン・カーター, ジャック・ディジョネット&ゴンサロ・ルバルカバ


「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」受賞作品

Best Large Jazz Ensemble Album(最優秀ジャズ大規模アンサンブル・アルバム賞)とは?
大編成のジャズ楽団による重奏(=ラージ・アンサンブル)作品を対象にした部門。楽団名義の作品や、コンポーザーの個人名義作などさまざま。

『For Jimmy, Wes And Oliver』
クリスチャン・マクブライド・ビッグ・バンド


「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」受賞作品

Best Latin Jazz Album(最優秀ラテン・ジャズ・アルバム賞)とは?
南米音楽の要素を加味したジャズ作品(ボーカル/インストゥルメンタル問わず)が対象。これまでに、サルサやキューバ音楽をはじめ、アルゼンチンタンゴ、ブラジル音楽なども選出されている。

『Mirror Mirror』
イリアーヌ・イリアス With チック・コリア&チューチョ・バルデス


“ジャズ部門” 以外でもジャズ系ミュージシャンが受賞

今回、ジャズ以外の部門でもジャズファンにお馴染みのミュージシャンが登場。まずは今年最多の11部門にノミネートされていたジョン・バティステ。『We Are』が〈年間最優秀アルバム〉に選ばれ、同作収録曲「Cry」は〈最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス〉と〈最優秀アメリカン・ルーツ・ソング〉を獲得。さらに同収録の「Freedom」は〈最優秀短編ミュージック・ビデオ〉にも選出された。加えて今回、ジョン・バティステは映画『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックでも〈最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム〉を獲り、最多5部門の受賞となった。

また、〈最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム〉をトニー・ベネット&レディー・ガガの『Love For Sale』が受賞し、〈最優秀コンテンポラリー・インストルメンタル・アルバム〉では、テイラー・アイグスティの『Tree Falls』が奪取。ちなみに、同部門にはスティーヴ・ガッド・バンドの『At Blue Note Tokyo』もノミネートされていた。

そして最後に。グラミーの対象は録音物だけではない。優れた文章(レコードやCDに付帯する解説文)を書いたライターに贈られる「ベスト・アルバム・ノーツ」なる部門もある。今年の受賞者はリッキー・リカーディ。同氏はルイ・アームストロングの未発表音源などを集めた『The Complete Louis Armstrong Columbia And RCA Victor Studio Sessions 1946-1966』のライナーノーツを執筆し、同賞を獲得した。

リッキー・リカーディ氏。これまでにルイ・アームストロングに関する著作が高く評価されてきたが、今回のグラミー獲得は「思いがけない出来事」と喜んだ。