投稿日 : 2025.12.26
松本圭祐(Bar Meijiu 店主)が選ぶ「2025年のベスト」3作品

松本圭祐
Bar Meijiu 店主
2010年、飯田橋にBar Meijiu を開店。オープン当初から禁煙のバーとして営業し、オリジナルカクテルやノンアルコールカクテルを提供。音楽はジャズを中心に幅広いジャンルのレコードを揃え、ヴィンテージオーディオで再生。
Rebecca Trecher
『Changing Perspectives』

クラリネット奏者Rebecca Trecherのアルバム『Changing Perspectives』は、自身が作曲する緻密にコントロールされたシネマティックなサウンドスケープと、時に激しさを伴って展開されるインプロヴィゼーションが交差し、楽曲の構造そのものが「視点を変え続けること」を体現している。近年のenjaのリリースは本作も含めて本当に素晴らしい作品が多いが、あまり知られていないのがもどかしい。
Beiggja
『Morning』

最近気に入っているノルウェーのピアニスト、Kjetil Mulelid が参加していることもあり手に取った Beiggja の一作。Hubro からリリースされた本作は、ノルウェーの森の中にあるスタジオで、演奏のほとんどをワンテイクで収録したという。森の静寂を思わせる内省的で美しいメロディと即興。Kjetilのピアノの音色は息を呑むほどに美しく、Kika Sprangersの思索的で漂うようなアルトサックスに心を奪われる。
Rasmus Oppenhagen Krogh
『pillars』

Rasmus Oppenhagen Kroghの『Pillars』は、いま個人的に最も注目しているデンマークのジャズレーベル、April Records からリリースされた作品。
幽玄で空間的に響くギターは、同郷でもあるJakob Broや、Bill Frisellの影響を感じさせながらも、その音楽性はそれだけにとどまらず、より多様なジャンルを横断した広がりをもっている。ノスタルジックなメロディと、静謐でありながらギターに溶け込むように寄り添ったアンサンブルもまた素晴らしい。
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