投稿日 : 2026.11.06
【ARBAN WEEKLY|今週の話題まとめ】ライ・クーダーの「本物らしさ」/レバークーゼンの記録/『Back to Black』の20年
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クリスチャン・マクブライド、新バンドのデビュー作『Points of Light』を発表
ベーシストのクリスチャン・マクブライドが、新クインテット「アーサ・メジャー(Ursa Major)」の初アルバム『Points of Light』を発表した。リリースは10月30日、レーベルはマック・アヴェニュー・レコード。CD、アナログ盤、デジタル配信で展開されている。
アーサ・メジャーは2022年に結成。メンバーはサックスのニコール・グローヴァー、ギターのイーライ・パールマン、ピアノのマイク・キング、ドラムのサヴァンナ・ハリス。数年にわたるツアーで鍛えられたアンサンブルが、ようやく音源として結実した形となる。レーベルはこの作品を、若手を世に送り出したアート・ブレイキーになぞらえ、マクブライドの「アート・ブレイキー期」の幕開けと位置づけている。
マクブライド本人は、このバンドをストレート・アヘッドからアヴァンギャルド、ファンク、フュージョン、アコースティックとエレクトリックまでを一つにまとめた「ハイブリッド」なバンドと表現。また、これまで率いてきたニュー・ジョーン、インサイド・ストレート、ビッグバンドの要素を取り込んだ“オールインワン”のグループだとも語る。
プロデュースを手がけたのは、ケンドリック・ラマーらとの仕事でも知られるテラス・マーティン。マクブライドはアソシエイト・プロデューサーとして名を連ねる。マーティンはシンセサイザーによる音響を全編に施し、バンドに“6人目”の要素を加えたとされ、ジャズを軸にしつつファンクやソウルにも通じるマクブライドの幅広い背景を一枚に橋渡ししている。
収録は全8曲。「Sakura」で幕を開け、「Two Check」「Cows」「Same Folks」「Familiar Steps」「A Morning Story」「Orquíeda」と続き、「No Rhyme, No Reason」で締めくくられる。ラストのジョージ・デューク作「No Rhyme, No Reason」は先行シングルで、本作唯一のカバー曲。「Cows」はギターのパールマンによるオリジナルで、メンバーの作曲面での存在感もうかがえる。
バンドは米国、日本、欧州を回るツアーも行っており、ライブで磨かれてきたレパートリーが本作でどう記録されたのか、ジャズファンの注目を集めそうだ。
ライ・クーダーのデジタル録音から読む「本物らしさ」
NPRは10月27日、2026年の音楽界で「本物らしさ」が争点になっている状況を整理したエッセイを公開した。1979年のライ・クーダーによるデジタル録音や、ポーラ・アブドゥルの声の加工をめぐる論争など、過去の事例を並べている。ニューオーリンズのブラスバンドの歴史にも触れている。
出典:https://www.npr.org/2026/10/27/nx-s1-5993861/why-does-everything-feel-fake-music-essay
1980年から1997年、レバークーゼン・ジャズターゲを記録する一冊
ジャーナリストのBeatrix Gerlingによる『Jazz in Leverkusen』が、新刊として紹介された。対象は、ドイツのレバークーゼンで開かれるジャズ・フェスティバル「レバークーゼン・ジャズターゲ(Leverkusener Jazztage)」の1980年から1997年。フェスティバルの前史と初期を記録する一冊である。JAZZTHINGによれば、コンサートやその準備・運営をめぐる記憶と、音楽自体の記憶を収め、初期18回の出演者の構成を、250点を超える写真とともに記録している。あわせて、Schoofsの功績を称える内容だという。

同記事によれば、出発点は1978年にさかのぼる。この年、愛好家団体「Jazz Lev」が設立された。転機は1980年、街が市制50周年を迎えたときである。Schoofsが「Wir machen ein Festival」(フェスティバルをやろう)と発案し、市の文化課が財政面で支えた。初回は1980年9月に2日間の日程で開かれ、翌1981年からは原則として1週間以上の日程になったという。
市の節目と、ジャズの愛好者による団体が結びつき、2日間の催しが1年後には原則1週間以上の日程になった。1980年代の地方フェスの立ち上がりを知る手がかりである。
出典:https://www.jazzthing.de/news/2026-10-27-neues-buch-leverkusener-jazztage
『Back to Black』20周年、Jorja SmithらがMark Ronsonと組むトリビュート
エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)のアルバム『Back to Black』の発売20周年を記念するトリビュートが、10月下旬に予定された。Jorja Smith、Corinne Bailey Rae、FLOらが、『Back to Black』のプロデューサーであるマーク・ロンソン(Mark Ronson)と組み、彼女の楽曲をカバーする。Stereogumが10月22日付で、出演者とカバー曲を紹介している。
Stereogumは、この顔ぶれをワインハウスの「stylistic descendants」(様式上の継承者)と呼んでいる。20年を経た作品を、いま歌う人たちの声で聴き直す機会である。



