投稿日 : 2023.12.25

映画『PERFECT DAYS』公開に合わせ、ドナータ・ヴェンダースの映像作品展が開催中

ドナータ・ヴェンダース

写真家のドナータ・ヴェンダース による「木漏れ日」をテーマに手がけた映像作品の個展「KOMOREBI DREAMS: supported by THE TOKYO TOILET Art Project / MASTER MIND」が、104GALERIE(東京都目黒区)で2024年1月20日まで開催中だ。

展示されるのは12点の映像作品。ドナータの夫である映画監督、ヴィム・ヴェンダースの最新作映画「PERFECT DAYS」(2023年12月22日公開)にも用いられた、主人公・役所広司演じる渋谷区のトイレ清掃員 平山が見る夢を映像化した『Komorebi Dreams』だ。

劇中で使用された映像は非常に印象的なシーンとなっており、本展ではそのオリジナル版ともいえる映像作品のシリーズを鑑賞できるという。また、関連する写真作品も、映画の共同脚本及びプロデューサーとして携わった高崎卓馬氏の言葉と共に展示されている。

ドナータ・ヴェンダース
02 KOMOREBI DREAMS, printed on Tesuki Washi Paper, 21 x 28cm, ©︎Donata Wenders

PERFECT DAYSの撮影に入る前にKomorebi と言う言葉をはじめて聞き、その意味を知ったとき、なぜか自分自身の内側の深いところが動くような気がしました。私は気づいたのです-これは地下深くを流れる水のような映像になる。主人公の心の中で動いていく無意識の流れ、 太陽と風と木によって生まれる光と影への気づき。平山のKomorebi dreamsを撮ることがこの映画で私がなすべきことだと、それ以来光に対する意識が変わりました。Komorebiを探して街中を歩き回りました。

今ならわかりますーこれは私たちへの贈り物。ふと現れたり消えたりする天の恵みなのだと。そう思いながらkomorebiを見ては撮影をしました。柔らかく動く光のダンスは気まぐれで無秩序で、しかし尊いものです。日光が木の葉の間(そして今では他のさまざまな物質も)の通り道を抜けて私たちの生活と存在の中に入ってくる様はいつも神秘的で美しく、楽しげで、驚きに満ちています。

それに気づくか否かは、私たちに委ねられています。ほんの少しの瞬間、自分だけのためにあるもののように感じるかもしれない。かすかに見える、遠い場所からの短い挨拶のように。Komorebi は私に深い心地よさと希望を与えてくれます。そして私を人生への喜びと愛で満たしてくれるのです。

ードナータ・ヴェンダース

ドナータ・ヴェンダース
「KOMOREBI DREAMS: supported by THE TOKYO TOILET Art Project / MASTER MIND」

◾️会期:2023年12月22日〜2024年1月20日
◾️会場:104GALERIE(東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCEビル B1F)
◾️開館時間:11:00〜17:00
◾️休廊日:日祝、2023年12月29日〜2024年1月8日
◾️料金:無料

映画「PERFECT DAYS」

◾️監督:ヴィム・ヴェンダース
◾️共同脚本・プロデュース:高崎卓馬
◾️企画・プロデュース:柳井康治
◾️キャスト:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和
◾️関連短編映画「Some Body Comes Into the Light」
(主演:田中泯:音楽 三宅純)