投稿日 : 2020.10.02

【林青空インタビュー】とにかく歌うことが好き! 新作を経て取り戻したポジティブな気持ち

取材:森朋之 撮影:藤川一輝、平野明

林青空 インタビュー

19歳のときに地元・大阪のライブハウスで音楽活動をスタートさせ、2020年2月にアルバム「出航日和」でメジャーデビューを果たした林青空。リアルな体験と感情を反映させた楽曲、凛とした強さと透明感のあるポップネスを共存させたボーカルによって確実に注目度を上げている。亀田誠治のプロデュースによるニューシングル「ハイヒールシンデレラ」も話題を集めている彼女に、楽曲制作、音楽活動のスタンスについて語ってもらった。その根底のあったのは、やりたいことを貫く強い気持ち、そして、“歌うことが好き”という純粋なモチベーションだ。

配信ライブで改めて気づいた、歌うことの楽しさ

──キャリアのスタートはバンドだったとか。

最初は“ひとりで歌う”ということが頭になくて、“歌うならバンドだろう”という考えだったんです。大学1年のときに友達とバンドを組んだんですけど、ライブを1〜2回やって自然消滅してしまって。そのライブを見てくれてたライブハウスの方が、ひとりで歌ってみない? と誘ってくれたのがきっかけですね。

*大阪・三国ヶ丘”FUZZ”。KANA—BOONなどを輩出したことで知られる

──バンドがやりたいというより、とにかく歌いたかった?

はい。いまもそうですけど、歌うことが最高に好き! そのために何をすればいいかを常に考えているんです。

──音楽に興味を持った入り口も歌モノですか?

そうですね。最初はボーカルユニットのRYTHEMさんを好きになって、ゆずさんを聴くようになって。小学校6年くらいからは、BUMP OF CHICKENさん、RADWIMPSさんなどのバンドも聴くようになりました。

──なるほど。最初のリリースは、2014年の自主制作シングル「秋風」。

バンドを組んだときに、初めて作った曲ですね。ちょうど秋の入り口くらいの時期で、実家の自分の部屋でギターを弾いてたら窓から風がファーッと入ってきて、『恋冷ます秋風 もっともっと吹け』という歌詞とメロディが同時に浮かんだんです。この曲はソロで歌うようになってからも、ずっと歌っていますね。


「秋風」は、最新シングル「ハイヒールシンデレラ」にも”stayhome ver.と”して収録。

──1曲1曲を大切にしているんですね。そして2020年2月に1stアルバム出航日和でメジャー・デビュー。順調なキャリアじゃないですか?

ぜんぜんそんなことなくて、上手く進めない時期もいっぱいあったんですよ。ただ、いろんなタイミングで私のことを気にかけてくれる人、良くしてくれる人と出会えて。一人で活動しているなかで「期待してる」「楽しみにしてる」と言ってくれる人が増えてきたんです。そうやって少しずつ進んでこられたのは良かったし、自分の性格にも合っていたと思います。

──8月には亀田誠治さんのプロデュースのシングル「ハイヒールシンデレラ」を発表。これはドラマ「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」のエンディングテーマですね。

ドラマの曲を書き下ろしたのは初めてで、すごく新鮮でした。今までは自分自身が見てきたもの、感じたことを曲にすることが多かったんですけど、『ハイヒールシンデレラ』はドラマの主人公の女の子の素敵なところを書き出して、私の世界観とまぜまぜして。『絶対に曲げられない 信念がそこにあるのだ』という歌詞があるんですけど、“これだけは譲られへん!”という女の子は素敵だなという思いが素直に出ました。私もそうありたいと思います!

亀田誠治プロデュースによる最新シングル「ハイヒールシンデレラ」

──音楽活動においても、しっかり自分の意思を通したい?

そうですね(笑)。関わってくれる人たちも私の意見を尊重してくれるし、ありがたいなと思っています。自分が得意ではないことに関して、頼れる人がいるのも嬉しいです。以前は頼るのが苦手だったんですけど、アレンジャーやプレイヤーのみなさん、グッズ製作、ライブ制作などのプロの方々と一緒に作ることで、自分の音楽が広がるのもわかってきました。

──今年はコロナ禍によって大きな影響を受けていますが、この状況をどう捉えていますか?

2月末にデビューしたのに4月のツアーがなくなって……しばらくは気持ちが沈んでいました。前向きになれた最初のきっかけは、「ハイヒールシンデレラ」の制作。本当に楽しかったし、こういう状況でも新しいことができるんだなって。今回出演させていただいた配信ライブ『MUSIC GATE』では、ツアーに参加してもらう予定だったバンドメンバーと一緒に演奏したんですけど、リハのときからすごく楽しくて。“歌うのが楽しい”という根本を取り戻せたし、状況が良くなったときにさらに強く活動できるように準備したいです。

林 青空
2014年から、地元大阪のライブハウスを中心にソロで活動を開始。同年6月に自主制作で1stシングル「秋風」をリリース。2018年には初めての全国ツアーを行い、ファイナルとなった東京でのワンマンライブは見事SOLD OUTとなった。2020年2月26日、1stアルバム「出航日和」でメジャー・デビュー。8月には亀田誠治プロデュースによるシングル「ハイヒールシンデレラ」 を発表した。
林 青空オフィシャルサイト
https://www.hayashi-aozora.com/

ライブ配信イベント『MUSIC GATE』


2020年8月にスタートした、ライブ配信イベント「MUSIC GATE」。さまざまなジャンルの “注目ミュージシャン”たちがライブパフォーマンスを生配信(ライブ後1週間はアーカイブ動画の聴取も可能)。さらにアーティストのインタビュートークなども披露される。次回は10月の開催を予定。出演者などはオフィシャルサイトでチェック。

https://live-gate.jp/

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