投稿日 : 2021.01.08

「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」全国順次公開─大島渚監督作品デジタル修正版

大島渚

映画監督・大島渚が手掛けたヒット作品が初めてデジタル素材に修復され、『戦場のメリークリスマス 4K修復版』が4月16日(金)、『愛のコリーダ 修復版』が4月30日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次“連続”公開されることがわかった。また、数々の映画ポスターデザインを手掛けるデザイナー成瀬慧が手掛けた各ビジュアルも披露された。

『戦場のメリークリスマス』(1983年)は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也など、当時では珍しく‘本業が俳優ではない顔ぶれをメインキャストに迎え大ヒットした、戦闘シーンが一切登場しない異色の戦争映画。ボウイ演じる捕虜ジャック・セリアズ少佐に、坂本扮するヨノイ大尉がいつしか惹かれていく様が、東洋と西洋の文化を融合させながら描かれている。本作で初めて映画音楽を手掛けた坂本による「Merry Christmas Mr.Lawrence」は、映画を観ていなくても誰もが知る名曲として、今もなお広く愛され続けている。

『愛のコリーダ』(1976年)は、1936年に世間を震撼させた実在の猟奇事件「阿部定事件」を題材に、松田英子と藤竜也が狂おしいほど求め合う男女を演じた究極の恋愛映画。セックスの描き方にリアルさを追求し、映画での「本番行為」が芸術かエロスかで大きな議論を巻き起こしたことでも話題に。また、後に同名書籍を巡って裁判に発展するなど、大きな注目を浴びた問題作だ。

なお、今回の上映は大島渚監督作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、最後の大規模ロードショー公開として企画されたもの。国内外問わず後世に多大な影響を残し、鮮烈な印象を多くに人に与えた日本が誇る鬼才・大島渚の作品がスクリーンで鮮明に観られる貴重な機会になるという。

『戦場のメリークリスマス 4K修復版』
4月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町・新宿武蔵野館ほか全国順次公開

戦場のメリークリスマス

出演:デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、ジャック・トンプソン、ジョニー大倉、内田裕也
監督・脚本:大島渚  脚本:ポール・マイヤーズバーグ 原作:サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影の獄にて」 製作:ジェレミー・トーマス
撮影:成島東一郎 音楽:坂本龍一 美術:戸田重昌
1983年/日本=イギリス=ニュージーランド/英語・日本語/123分/ビスタサイズ/ステレオ

 

 

 

『愛のコリーダ修復版』
4月30日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町・新宿武蔵野館ほか全国順次公開

愛のコリーダ

出演:松田英子、藤竜也、中島葵、松井康子、殿山泰司
監督・脚本:大島渚  製作代表:アナトール・ドーマン 製作:若松孝二 撮影:伊東英男 音楽:三木稔 美術:戸田重昌 助監督:崔洋一
1976年/日本=フランス/日本語/108分/ビスタサイズ/モノラル/R18+