投稿日 : 2019.12.06

山田竜輝(ディスクユニオンJazzTOKYO)が選ぶ 2019年ベストアルバム

山田竜輝
東京・お茶の水にある世界最大級のジャズ専門店、ディスクユニオンJazzTOKYOのバイヤー/スタッフ。同店は、併設のソウル・レアグルーヴ館とあわせて総面積100坪の売り場に、 ジャズ専門店としての基本的な品揃えはもちろん、世界中の良質な音楽ソフトを提供。

Bibio 『Ribbons』

前作路線のソウル&アーバンな曲を数曲残しつつ、初期からのカントリー〜フォークトロニカな作風に立ち返った新作。インスト曲ふくめ全編素晴らしいですが、特に先行シングル”Curls”は儚く残響する美しいメロディに、流麗なヴァイオリンとマンドリンの対旋律が絡む大名曲。本年ナンバー1ソングと言っても過言ではないでしょう。


 

Vin Gordon 『African Shores』

ジャマイカの伝説的トロンボーン奏者と、先日ユセフ・ラティーフ・トリビュート作をリリースしたばかりのUKテナーの雄ナット・ヴァーチャル、2012年頃ブラック・アークに激似なダブで一部界隈を騒然とさせたアル・ブレッドウィナーによるインスト・レゲエ。ヴィンテージ機材から放たれるウェットなリヴァーブに、密教的なトロンボーン。ダブの旨味をじっくり味わえる逸品です。


 

吾妻光良 & The Swinging Boppers 『Scheduled by the Budget』

「大人はワイン2本まで」の教えはどうしたんだ自ら率先して酔っ払い、あげくこのバンド知ってるかと音楽講釈を始め、いざステージに立てば稲妻のようなギターで会場をぶち上げる無茶苦茶カッコいい吾妻さん。ボブ・マーレーが言っていた「音楽でぶん殴ってくれ」の意味を教えてくれたバンドです。私にとっての理想の”オトナ”像がここに。