2016.07.22

中原仁(音楽・放送プロデューサー/選曲家)| 「夏の音楽」と私

中原仁(音楽・放送プロデューサー/選曲家)
1985年以来50回近くリオを訪れ、取材のほか、現地録音のCD約15タイトルの制作に従事。J-WAVEの長寿番組「サウージ!サウダージ…」などラジオの番組制作/選曲、コンピレーションCDや空間BGMの選曲、イベントやライブの企画プロデュースを行ない、ライター、DJ、MC、カルチャーセンター講師もつとめる。共著の新刊書『リオデジャネイロという生き方』(双葉社)発売中。
http://blog.livedoor.jp/artenia/


アツさで暑さを制す、ブラジルの発汗ミュージック

夏に聴くブラジル音楽と言えば、日本では涼しげなボサノヴァが代名詞的な存在ですが、あえて逆を行こうと思います。日本よりもはるかに夏の期間が長いブラジルには、灼熱の日差しを栄養として吸収した、パワフルでエネルギッシュな音楽がたくさんあります。そうした中から日本の猛暑に真っ向勝負できるポテンシャルを備えたサウンドをセレクトしました。夏にカレーを食べるノリにも相通じる、発汗作用が満点のブラジリアン・ミュージックを聴いて夏バテを撃退!

 

  • Seu Jorge
    Musicas para Churrasco Vol.1

    ブラジル料理の王様シュハスコ(シュラスコ)は、日本ではレストランで肉のフルコースを満喫するイメージがありますが、ブラジルには日曜や休日の午後、家の庭などで肉を焼きながら家族や友人たちと一緒に楽しむシュハスコ・パーティーの風習があります。そんな、日常生活に根ざしたパーティー・ミュージックを提唱したのが当代随一の声の主、セウ・ジョルジ。ファンキーでソウルフルでサンバ魂も全開、肉食で不良でエロい、人生の悩みも不満も吹き飛ばす極上の祝祭音楽で、第2集も出ています。「シュハスコのための音楽」と題していますが、歌詞の中に日本語を歌いこみ“ヤキソバ!ヤキソバ!”と連呼する曲も。

     

  • Bixiga 70

    ビシーガ・セテンタは、ホーン・セクションを中心とするサンパウロのインスト・バンド。ナイジェリアの闘士、故フェラ・クティが創りあげたアフロビートを軸に、アフリカ各地の音楽、サンバのルーツでもあるアフロ・ブラジル音楽、アフリカの影響を受けた北中南米の音楽などを、これでもか! というまでに大胆不敵にミックス。分厚いホーンのアンサンブルとブラジルならではの粘り腰のリズムが繰り広げるマッチョなサウンドは、ブラジル料理にたとえれば、肉の臓物と豆を長時間煮込んだフェイジョアーダの味わい。まさにスタミナ満点です。

     

  • Monobloco
    Monobloco 10

    ストリート魂みなぎるリオのミクスチャー・バンド、ペドロ・ルイス&ア・パレーヂが母体となって2000年に結成した、エスコーラ・ヂ・サンバのバテリーア(パーカッション隊)編成の軍団、モノブロコ。リオのストリート・カーニバルのシンボル的な存在で、2度の来日公演を通じ日本でも高い人気を誇っています。レパートリーはサンバだけでなく、ブラジルのロックやファンクのヒット曲からブラジル北東部の多彩なリズムまで、なんでもありの開放的なお祭りサウンド。これは彼らの音楽の真髄が味わえるライブ盤で、キンキンに冷えたビールを飲みながら爆音で聴けば、居ながらにして夏フェス気分が楽しめます。