投稿日 : 2019.08.20

『バウハウス100年映画祭』でバウハウスのドキュメンタリー6作品を上映

ドイツの総合芸術学校「バウハウス(BAUHAUS)」が今年で創立100年を迎えた。これを記念した上映イベント『バウハウス100年映画祭』が、11月23日(土・祝)より東京・渋谷の「ユーロスペース」ほか全国で開催される。

1919年、近代建築の巨匠ヴァルター・グロピウス(1969年没)によって第1次大戦後のドイツに創立されたバウハウス。モダニズムのパイオニアとして、建築、インダストリアル・デザイン、グラフィック・アート、写真などの分野で世界に衝撃を与えるも、ナチスの迫害を受け、わずか14年間の活動で幕を閉じた。

今回のイベントでは、バウハウスのドキュメンタリー6作品を上映。創立者たちが理想に燃えて突き進んだ時代。そこから生み出された奇跡。バウハウスとは何なのかを紐解いていく。

1.『バウハウス 原形と神話』

超一流の才能が集い、芸術全般に革命を起こしたバウハウス。その軌跡は神話となったが、そこには時代の波に翻弄された芸術家たちの喜びや苦闘があった。伝説的な教師達の薫陶を受けた当時の学生達の証言や、貴重な記録によって、バウハウスがたどった激動の道と知られざる物語が明かされる。

2.『バウハウス・スピリット』

スウェーデンの教室も時間割もない学校。ヴェネチア・ヴィエンナーレ金獅子賞のアーバン・シンクタンクが取り組む南米スラム街の住環境改善。低価格でバウハウス家具を復刻する企画。バウハウスの理論を身体で表現する試みなど、豊かな発想と斬新な手法で注目される人々を追い、現代に生きるバウハウスの精神を映し出す。

3.『バウハウスの女性たち』

当時最も先進的な芸術学校であったバウハウスは「年齢、性別に関係なく、誰もが学ぶ権利を持つ学校」と高らかに謳った。それは女性にも芸術の可能性を与える宣言となるはずだった。だが現実は簡単ではなかった。実は男性優位のバウハウスで、多大な成果を残したにも関わらず、影の存在となった女性たちの実像に迫る。

4.『ミース・オン・シーン』

近代建築の三大巨匠の一人、ミース・ファン・デル・ローエ。彼の代表作でありモダニズム建築の最高峰と称される「バルセロナ・パビリオン」。この建物がなぜ今も語り継がれる傑作となったのか。後にバウハウス校⾧に就任するミースの建築思想とは。当時の記録と、現代の一流の建築家や学者などの証言で検証する。

5.『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』

バウハウス開校の8年前、初期モダニズム建築の傑作「ファグス靴型工場」が建てられる。バウハウス創立前の若き日のグロピウスは“労働者のための宮殿”を作りたいという工場主の夢を実現させるべく、新時代の工場を作り上げた。世界遺産に登録された今もなお、現役で稼働しているガラス張りの工場はなぜ生まれたのか。その歴史を追う。

6.『マックス・ビルー絶対的な視点』

彫刻家、画家、建築家、デザイナーなど、幅広く活動したマックス・ビル。バウハウス最後の巨匠とも言われる彼は、バウハウスで学び、後にその理念を受け継ぐウルム造形大学の初代校⾧を務める一方、政治活動にも積極的に関与するなど、激動の人生を送った。彼が追求した芸術とは何か。その生涯と思考に触れる。

【イベント詳細】
『バウハウス100年映画祭』
※全作品、日本語字幕付
■場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1−5)より、全国巡回
■会期:2019年11月23日〜12月12日 (※ユーロスペース)
■配給:トレノバ
■協力:ゲーテ・インスティトゥート東京
■後援:在日スイス大使館、バウハウス100周年委員会
https://trenova.jp/bauhaus/