投稿日 : 2020.10.06

【KAHOHインタビュー】自分の背中を押したのは「私、みんなと違くない?」という謎の自信

文/森 朋之 撮影/藤川一輝、平野 明

2001年生まれ、現在19歳のKAHOHは、海外のヒップホップ、R&Bとリンクしたサウンド、等身大の感情を映し出すリリック、力強さと透明感を併せ持った歌によって注目を集める新世代のシンガー。今年、「CHERRY」「GIRLTALK」「Summer Time(feat.KENYA)」をリリースし、彼女が敬愛するアーティストの楽曲をカバーする『KAHOH COVER PROJECT』もスタートするなど、活動の幅も広がっている。「歌える場所を与えてもらえることがとにかくうれしい」「将来は替えの効かないアーティストになりたい」と笑顔で話す彼女に、ルーツ・ミュージックやこれまでの活動、歌詞やトラックに対するこだわりなどについて聞いた。

「できないかも」って口では言っても、内心は「絶対できる」って思ってる

──音楽に興味を持ったきっかけは?

私は覚えていないんですけど、保育園のときに「ダンスやりたい」って言ったみたいで。ヒップホップ・ダンスだったので、それからヒップホップやR&Bを聴く環境で育ったんですよ。小学生の頃はダンスの先生の影響でNe-YoとかTLCを聴いていて。日本のアーティストでは、久保田利伸さん。「流星のサドル」を聴いて、日本にもこんなカッコイイ人がいるんだ!って思ったのを覚えています。

──日本のヒップホップは?

中1のときにダンスのイベントに出て、ゲストでKOHHさんが来たんです。見た目は怖かったんですけど(笑)、ライブがめっちゃカッコよくて衝撃を受けました。もっとハマったのは、高校のとき。日本語ラップが好きなイケイケの友達が多くて、その影響でBADHOPや唾奇さん、SALUさん、KANDYTOWN、変態紳士クラブとかを聴き始めて。カラオケでもめっちゃ歌ってました(笑)。

最新シングル「Summer Time」

──素晴らしい音楽ライフですね(笑)。本格的に歌い始めたのは?

中1からです。ダンスの先生にアーティスト・クラスに入れられて歌うことになったんですけど、宇多田ヒカルやMISIAを聴かせてもらって、歌に興味が出てきたんです。レッスンを受けてるうちに、「私、もっと歌が上手になりたい」と思って、ダンス・スクールをやめちゃったんですよ。その後は歌の個人レッスンを受けていたんですが、「ライブに出ない?」って声をかけてくれる人もいて、活動が始まった感じです。歌うことが楽しかったし、なによりあの頃は「私、みんなと違くない?」という謎の自信があったんですよ(笑)。

──これまでのライブのなかで、思い出に残っているのは?

東京コレクションの北九州公演*ですね。「お客さんと気持ちが通じるって、こういうことなのかな」って初めてわかったというか……語彙力がないから「すごかった」としか言えない(笑)。でも、本番前は最悪だったんですよ。喉の調子が良くなくて、リハでも声がぜんぜん出なくて。そこで「やるしかない!」って気持ちで本番に臨んだら、調子が悪かったのがウソみたいに歌えたんです。お客さんが楽しんでくれているのもわかったし、「ステージって、すごい!」と思いました!

*「TGC 北九州 2019」において、KAHOHはオープニングアクトを務めた

──ステージ度胸があるというか、基本的に強気なんでしょうね。

「できないかも」って口では言っても、内心は「絶対できる」って思ってるタイプかも(笑)。思い込みって超大事じゃないですか!?


KAHOHは、9月に開催されたMusic Gateにも出演。パワフルな歌唱で、聴く者を魅了した。

──今年は「CHERRY」「GIRLS TALK」「Summer Time」と3枚のシングルをリリース。どれも等身大の歌詞が素敵だな、と。

ありがとうございます。「CHERRY」はトラックを聴いたときに、“〇〇しないで”って歌いたいと思って。“油断しないで、よそ見しないで”って書いてるうちに、ラブ・ソングになりました。その頃、たまたまサクランボのジャムを作ったから、タイトルは「CHERRY」がいいなって(笑)。「GIRLS TALK」の歌詞は、友達との電話の内容を切り取ってます。彼氏とケンカしたとか、別れそうってときに友達に電話するんですけど、その会話をそのまま歌詞にして。「Summer Time(feat. KENYA)」のテーマは“feel so right”、“完璧な気持ち”。夏が終わっても一緒にいたいというラブ・ソングですね。



──今年はなかなかライブができない状況が続いてますけど、この先、どんな活動をしていきたいですか?

いろんな場所、いろんな人の前で歌いたいというのは変わりません。自粛期間中も毎日、インスタでカバー動画をアップしていて。見てくれた方が「いいね」って褒めてくれて、みんな優しいなって思いました(笑)。唾奇さんの曲をカバーしたときに、ご本人がリツイートしてくれたり。ちょっとでもいい時間に変えられたのは良かったです。

KAHOH
2001年、和歌山県出身の女性シンガー。2019年、LINE RECORDSから 1stシングル「HERE WE ARE」でデビュー。同年9月にリリースした4thシングル「CHO VERY GOOD!」が、TikTokのダンス動画で1,000万回再生を超えるなど話題に。雑誌“ViVi”主催の「ViVi Night」や「東京ガールズコレクション 2020 SPRING/SUMMER」にもオープニングアクトとして出演したことで、音楽ファン以外からも注目を集めている。

ライブ配信イベント『MUSIC GATE』


2020年8月にスタートした、ライブ配信イベント「MUSIC GATE」。さまざまなジャンルの “注目ミュージシャン”たちがライブパフォーマンスを生配信(ライブ後1週間はアーカイブ動画の聴取も可能)。さらにアーティストのインタビュートークなども披露される。次回は10月の開催を予定。出演者などはオフィシャルサイトでチェック。

https://live-gate.jp/

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