投稿日 : 2020.12.28

青野賢一(ビームス ディレクターズルーム/ライター)が選ぶ2020年のベスト3枚

青野賢一
ビームス ディレクターズルーム クリエイティブディレクター / ライター
社外のクライアントワークに従事する「ビームス ディレクターズルーム」のクリエイティブディレクター。音楽部門〈BEAMS RECORDS〉のディレクターも兼務している。また音楽、映画、文学、美術などを論ずるライターとして『ミセス』『音楽ナタリー』などに連載を持つ。1987年よりDJ活動を開始し、現在は青山zero「SUNDAY DISCO SESSION 日曜日が待ち遠しい!」(奇数月第一日曜日)などでレギュラーを務めている。

Oneohtrix Point Never
『Magic Oneohtrix Point Never』

「架空のラジオ」を題材にした、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの最新作。脱構築されたニューエイジ、元の音を覆ってしまうほどのノイズ、ポップミュージックのかけら、厳かな静寂が、ジングル「Cross Talk」を織り交ぜつつ次々と披露されていきます。思わず「待ってました!」と言いたくなる快心の集大成的作品。


Rosa
『Acqua Di Sale』

80年代のリイシューかと思いきや、ナポリ産の現行ブギー。ゆったり目のビート、ノスタルジックなアナログシンセ、控えめにリフを刻むギター、アーバンなサックス、そしてマイルドなボーカルが紡ぎ出す、極上のバレアリック・チューンが詰まった6曲入りEPです。A-1「Sera a Posillipo」は2020年に最もよくかけた曲かも。


Hania Rani
『Home』

2019年リリースの『Esja』の親密なピアノ・ソロから、自身のボーカルを大々的にフィーチャーし、またシンセサイザーや弦楽器、ドラムスなども配して幅広いアプローチを展開した、ハニャ・ラニの最新アルバム『Home』。「透明感」という言葉がこれほどしっくりくるアルバムは久しぶりです。寒い季節の定番になりそう。