2019.03.06

【review】勝手な想像をスマートに裏切るチャカ・カーン、12年ぶりのアルバム

タイトル
HELLO HAPPINESS
アーティスト
チャカ・カーン/CHAKA KHAN
レーベル
Island

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ダーク期を乗り越え、<ハロー・ハピネス!>と歌いながら戻ってきたチャカ・カーン。

ベテランアーティストの新作と聞くと「まぁ、こんな感じだろう」とたかをくくりがちだが、このアルバムはそこを気持ちよく裏切ってくれる。

70年代後半のファンキーなディスコ/ソウルを柱に、現在進行形のクラブスパイスをほどよく振りかけた、歴史の横串が刺さったサウンド。そこを優雅に力強く泳ぐチャカ・カーンのヴォーカリストっぷり。とにかくかっこいいっす。身体が揺れる。

チャカ・カーンと聞いて「懐かしいな~、当時はよく・・・」と感じる世代も納得できる作品。音楽好きの後輩に教えても「いいっすね」とレスくれる一枚。

プロデューサーには、ディプロと共にMajor Lazerを立ち上げ(現在は脱退)、ビヨンセやM.I.A.作品のプロデュースもおこなってきたスウィッチ。さらに、妻でありSSWのサラ・ルバを加えた夫婦タッグは、「わかってらっしゃる! 」という良い仕事をしています。

約12年ぶりのアルバムとはいえ、前作以降も音楽制作は続けていた彼女。一方で、2016年のプリンスの死の影響もあり鎮痛剤依存のリハビリ施設に入所していた時期もあったという。そんなダーク期を乗り越え、再びシーンの最前線に戻ってきた古参ディーヴァに衰えは見えない。

現在、映画界でも70年代のアフロアメリカンが主人公として描かれる作品が続いており、時代の気分もファンキー/ソウルな方向。また、アレッサンドロ・ミケーレのグッチなど、この1〜2年はファッション界もそんなフレーバーを取り入れているだけにタイミングもばっちり。まずは幅広い世代に聴いてほしいです。(富山)