原 雅明(音楽評論家)が選ぶ “2018下半期”ベストディスク

2018.12.24

あの人が選ぶ“2018下半期”ベストディスク

原 雅明
[音楽評論家]
-PROFILE-
執筆活動の傍ら、レーベル「rings」のプロデューサーやRed Bull Radioの番組「TokyoTangents」の選曲、LAの非営利ネットラジオ局の日本ブランチdublab.jpのディレクター、DJも務める。近著『Jazz Thing ジャズという何か─ジャズが追い求めたサウンドをめぐって』。

原 雅明が選んだ3枚

1.
Ambrose Akinmusire
『Origami Harvest』

アンブローズ・アキンムシーレは、本作を「相反すると思われるものを併置することで両極端について考えるプロジェクト」と言う。ジャズと元ダス・レイシストのクール・A.D.のラップとミヴォス・カルテットの弦楽四重奏をシームレスに繋げる。ジャンルの融合じゃなくて融解へと向かうジャズを象徴する好例。

2.
Antonio Sanchez
『Lines In The Sand』

昨年リリースした凶暴なるドラム&エレクトロニクスの『Bad Hombre』と、今年リリースのヴィンス・メンドーサ&WDRビッグバンドとの優美な『Channels of Energy』の振れ幅があるのがアントニオ・サンチェスだけど、その間で絶妙かつ危ういバランスを取って見せたのが本作。

3.
Makaya McCraven
『Universal Beings』

地元のシカゴ、NY、LA、それにロンドンに乗り込んでのセッションから作られた同時多発のジャズの状況のドキュメントのような構成もさることながら、身体に染み付いているビート感覚の鋭さとドラムの精度の高さが演奏全体をコントロールして、ビート・ミュージックをなぞることの次へ向かっている。

 

お知らせ
レーベル・プロデューサーを務める「rings」から、LionmilkというLA生まれの日本人ア
ーティストのアルバム『Depths Of Madness』を12月19日にリリースします。ニュース
クール大学でジャズ・ピアノと作曲を学びつつ、LAのビート・ミュージックにも影響を受
けてきた新世代(24歳!)です。

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