投稿日 : 2020.09.18

【動画解説付き】 iPhoneアプリ GarageBand(ガレージバンド)の使い方「キーボード編」

GarageBandのキーボードの動画解説記事

GarageBand(ガレージバンド)は、iPhoneやiPad、Mac OSで使える無料の音楽制作アプリ。楽器演奏や音楽制作の経験がない人でも、直感的に音楽制作ができるよう、さまざまな便利機能が搭載されています。

ここで紹介するのは、iPhone版のGarageBand。iPhoneさえあれば、場所を選ばず好きなときに曲制作が可能です。今回は、キーボード音源「KEYBOARD」に搭載されている「Smart Piano」と「Alchemyシンセ」の基本操作について、動画を交えながら解説していきます。


GarageBandをはじめる

使用するバージョンは「2.3.8」。お手持ちのiPhoneからGarageBandのアイコンをタップして起動します(アイコンが見当たらない方は「App Store」からも入手可能)。

起動すると以下の画面が表示されるので、画面左側の「曲の作成」、または右上の「+」マークをタップしてスタートします。


「KEYBOARD」は、じつに多彩な音源です。ピアノをはじめ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、クラビネット、シンセサイザーなど、どんな音楽ジャンルにも対応する音色が内蔵されています。機能面でも、指一本でコードを弾ける機能や自動演奏など、楽器経験のない方でも触れるさまざまな工夫が施されています。 

コードもメロディも自由自在「Smart Piano

GarageBandのSmart Piano

“Smart Piano”は、ピアノ、エレクトリックピアノ、オルガン、クラビネット、シンセサイザーなど多彩な音源を備えたキーボード音源。「コードストリップ」を使えば、コードを指一本で弾くことができ、あらかじめ用意されたコードを使って簡易的な作曲も可能。鍵盤画面にすれば本物と同じ感覚で演奏でき、自動演奏にも対応している。


シンセサイザー音源「Alchemyシンセ」

GarageBandのAlchemyシンセ

“Alchemyシンセ”は、シンセサイザーにフォーカスしたキーボード音源。基本操作は上記の「Smart Piano」とほぼ同じだが、フィルターやエンベロープといったシンセサイザー特有のパラメーターも操作可能。タッチセンサーに対応したエフェクトや、顔認証機能などを駆使したiPhoneならではのサウンドメイクも楽しめる。


※文字で読みたい方はこちら
無料アプリ GarageBand(ガレージバンド)であなたもミュージシャン!【第2回:ピアノ編】


「コードの編集」について

動画では、「コードの編集」についても触れていますが、コードを知らない方には少々難解かもしれません。「コードの読み方が分からない」という方は、以下を参考にしてください。

◆コードとは?

「ド・ミ・ソ」などの複数の音を鳴らす“和音”のことをコードと呼びます。メジャーやマイナーコードといったコードを組み合わせることで、曲の大枠を作っていくことができます。

コードには「C、D、E、F」などの名前が付いています。このアルファベットは、英語圏での「ド・レ・ミ・ファ」(※)を指し、現代ではコードを表記する場合、このアルファベットが使用されます。「ド」を基調とするコードなら「Cメジャー/Cマイナー」、レを基調とするなら「Dメジャー/Dマイナー」となります。

(※)C=ド D=レ E=ミ F=ファ G=ソ A=ラ B=シ C=ド

コードで作曲するには、それなりの知識が求められます。ネットや書店、YouTubeには、さまざまな楽曲のコード譜があるので、まずは好きな曲のコードを参考にするのがお薦めです。

■(例)スティーヴィー・ワンダー「I Just Called To Say I Love You」

【コードのウェブサイト】
■「楽器.me」
http://gakufu.gakki.me/
■「U-FRET」
https://www.ufret.jp/

◆コードの種類・読み方①(メジャーとマイナー)

メジャーとマイナーはもっとも基礎的なコードの2種で「ド、ミ、ソ」などの3つの音を重ねた3和音の響きとなります。

C=「C」などのアルファベット表記のみ、または「C Maj」が付けば「メジャー」を指し、この場合は「Cメジャー」となります。混じり気のない明るい響きが特徴です

Cm=「C」の横に「m」、または「C Min(min)」が付けばマイナーを指します。この場合は「Cマイナー」となります。少し暗めでクールな響きが特徴です

◆コードの種類・読み方②(セブンス)

上記のメジャー/マイナーにもうひとつ音を加えた「ド、ミ、ソ、シ」などの4和音で構成されたコードです。代表的なセブンスコードには、以下の3種類が存在します。

Cmaj7(C△7・CM7)=「C」の横に「maj7」「M7」「△(△7)」などと表記される場合はメジャー・セブンスを指します。メジャーコードにひとつ音を加えた「4和音構成」で、メジャーの響きとは一味違った響きになります。

Cmin7(Cm7) = Cの横に「min7(m7)」などと付けば「マイナー・セブンス」を指します。マイナーコードにひとつ音を加えた「4和音構成」で、マイナーの響きとは一味違った響きになります。

C7=「C」の横に「7」が付く場合は「Cセブンス」、または「Cドミナント・セブンス)を指します。上記のメジャー/マイナーセブンスと同じく4和音構成ですが、少し不安定な響きに聴こえます。用途を理解するには、それなりの知識が必要ですが、コードを循環させる上で非常に重要なコードになります。

◆コードの種類・読み方③(変則セブンス/分数コード)

上の参考動画に上げたスティーヴィー・ワンダーの「I Just Called To Say I Love You」には、上記で触れたセブンス以外に「D#m(maj7)」というセブンスコードや、「F#/G#」という変則的なコードが登場します。少々難解なので、ここでは「コードを編集」での設定の仕方を中心に解説します。

D#m=Dのシャープ(#)は、D(レ)とE(ミ)の間の音で「D#(Dシャープ)」と読み、「m(マイナー)」が付くので「D#m(Dシャープ・マイナー)」となります。

D#m(maj7)=上記の「D#m」に「maj7(メジャーセブン)」が加わり、「D#m(maj7)(Dシャープ・マイナー・メジャー・セブン)」となります。GarageBandの「コードを編集」で設定するときは、「D#」と「Min」を選んで「Maj7」を選べば「D#m(maj7)」を作ることができます。

F#=Fのシャープ(#)は、F(ファ)とG(ソ)の間の音で「F#(Fシャープ)」と読み、ほかの記号が付かないので「F#メジャー」になります。

F#/G#=上記の「F#(F#メジャー)」に「/G#」」、または「on G#」などと表記されることを「分数コード」または「オンコード」と呼びます。これは「F#」に「G#」のベース音が加わったことを意味します。GarageBandの「コードを編集」では、右側で「ベース」を選べるので、この場合は「F#)」と「Maj」を選んで、ベースを「G#)」にすれば「F#/G#」を作ることができます。分数コードは、他の曲でも頻発するコードなので、作り方だけでも覚えておくと良いでしょう。

ほかにも「Dim(ディミニッシュ)」や「Aug(オーギュメント)」といったコードが登場した場合も「コードを編集」を使えば設定することができます。参考曲に合わせて設定してみましょう。コードを習得するには時間と根気が必要なので、まずは自分のお気に入りの曲をコピーして、楽しみながら演奏することをお薦めします。

次回は、ギターとベース音源「Guitar」と「Bass」について解説します。

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