2019.04.03

【review】2019年のJAZZYな最新サウンドをNYから放つ、カッサ・オーバーオール

文/富山英三郎 

タイトル
Go Get Ice Cream and Listen to Jazz
アーティスト
Kassa Overall/カッサ・オーバーオール
レーベル
KASSA OVERALL LLC

iTunesAmazon

さまざまな修飾語を重ねるよりも、「すげぇかっこいいトラックだらけだから聴いてみて!」というしかない一枚。「楽曲」というよりも、ヒップホップやDJカルチャー的な「トラック」という言葉を使いたくなってしまう、そんなアルバムだ。もちろん楽曲として、バンドサウンドとして、素晴らしい完成度を誇る。

ジャズとはいえ極めて現代的で、ヒップホップを中心にあらゆる音楽の気持ち良さが散りばめられた全10曲。ゆえに、「2019年のJAZZYな最新サウンド」として幅広い人たちにおすすめできる。

カッサ・オーバーオールは、シアトル出身・ニューヨーク在住のジャズドラマー。近年、アート・リンゼイに見出され、昨年10月の日本公演にも帯同。演奏力の高さは、NYのジャズシーンで広く知られている。その一方で、ヒップホップのプロデューサーとして、またラッパーとしても高い評価を受けているのがポイント。ジャズの素養が高い人間が、本気でビートミュージックに取り組むと、とんでもない曲が生まれるのだなと改めて思う。

アルバム収録曲ではないが、彼のプレイがわかる動画。

プレイボタンを押してすぐに流れ出す「The Sky Diver」は、夢見心地にさせてくれるエレクトロかのように始まる。気づけばピアノのソロ、裏ではオルガンの音色が響いている。「いいね〜」なんて聴いていると、2曲目のフィーチャリングは故・ロイハー・グローヴ。クレジットを見ながら「なんだって!?」と驚いていると、カッサのラップが滑らかに重なっていき、シンプルなようで複雑なビートサウンドに引き込まれていく。そんな感じで、39分のアルバムがあっという間に聴き終わってしまうのだ。

フィーチャリングは、アート・リンゼイやカーメン・ランディといったベテランから若手まで多彩。何度か聴いた後は、参加メンバーをチェックして楽しむというのも良さそうだ。

そもそも、『アイスクリームをゲットして聴くジャズ』なんてアルバムタイトルの時点でクールなのだが、都会的なサウンドからリゾートを感じるサウンドまで、さまざまな場所に連れて行ってくれる一枚。クラブ系の人は間違いなくハマります。

https://www.kassaoverall.com/