2018.07.13

【あの人が選ぶ“2018上半期”ベストディスク】ディスクユニオン山田竜輝

PROFILE●山田竜輝
東京・お茶の水にある世界最大級のジャズ専門店、ディスクユニオンJazzTOKYOのバイヤー/スタッフ。
http://blog-jazztokyo.diskunion.net/

山田竜輝が選んだ3枚

Walter Smith III『Twio』

ロバート・グラスパーやカマシ・ワシントンらの台頭により、ジャズ・シーン全体がソロの技巧以上に、アレンジやビートを重要視する傾向が続いています。その反動かコンテンポラリー・ジャズのアーティストによる、スタンダード曲中心で旧態的な編成の4ビート・ジャズ作品が流行の兆しを見せています。こちらはその嚆矢とも見るべき一枚。50年代とフォーマットを同じくすることで、ジャズの純粋な進化を目の当たりにできます。

 

Gurls『Run Boy, Run

ノルウェーのジャズ~ネオ・ソウル・バンド。ヴォーカル、サックス、ベースという、コード楽器はおろかドラマーもいない異形ともいうべき編成でネオ・ソウル、というアイディアとセンスには脱帽です。コードやビートがないことにより聴きづらい人もいるでしょうし、逆にメロウに聴ける人もいるでしょう。自分が今、音楽に何を求めているかがわかるリトマス試験紙的な一枚です。

 

José Luis Braga『Nossa Casa』

毎年のように注目作品が出、そのたびに店員もライターも絶賛しミナス、ミナスと連呼している気がしますが、今年もミナス産MPBはまだまだ進化中です。インディーロックや管楽アンサンブルなどの新鮮な素材と、独特なコード進行やウアクチ直系のミニマル・ミュージックなどの伝統とが、ミナスという鍋の中で溶け混ざり合って出来上がった結晶のような作品です。