2019.06.05

【review】フランスから届いた、ビーチやプールで聴きたい夏のアルバム!

文/富山英三郎

タイトル
L’été Suivant/レテ・シュイヴァン
アーティスト
Limousine/リムジン
レーベル
Ekler'o'shocK
発売日
2019.03.21

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オシャレな海の家でのDJタイムに

プレイボタンを押した瞬間、目の前に広がるのは美しいビーチ。上質なチェアにゆったりと腰を沈め、冷えたロゼを飲みながらボーッとしている。そのまま気だるくも心地よい時間が流れ、雲が太陽を覆うときもありつつ、チルアウトなマジックアワーへ。後半はアッパーな夜へと向かう浮遊感のあるバンドサウンドで昇天…。

そんな最高な夏の、とある優雅な一日の流れが見事に展開されていくアルバム。タイトルの『L’été Suivant(レテ・シュイヴァン)』とは、フランス語で「次の夏」を意味する。ジャケットデザイン含め、「夏仕様」で徹底されたコンセプチャルな一枚だ。

ジャズプレーヤーたちによるバンド

そんな極上のサマータイムを届けてくれたのは、フランスのインスト・バンド「Limousine(リムジン)」。メンバーは、Laurent Bardainne(サックス、キーボード)、David Aknin(ドラム)、Maxime Delpierre(ギター)、Frederic Soulard(キーボード)の4人編成。全員がジャズプレーヤーであり、それぞれはジャンルの異なる別のバンドでも活躍している。

と、知ったようなことを書いているが、お恥ずかしながら彼らのことはこのアルバムを見つけてから知った。しかも、「Limousine(リムジン)」というバンドは他にもいくつかあり、Apple Musicでは多数のアルバムが表示されてしまう。web上にある日本語で書かれた彼らに関する記述は、レコード屋さんの数行レビューが2〜3サイト程度。

調べてみると、1st.アルバムはオルタナティブやポップにジャズを融合したような『Limousine』(2005)。その後、さらにオルタナティブでポストロック的な空気をまとった『Ⅱ』(2011)、タイにインスパイアされたオリエンタルな雰囲気が面白い『Siam Roads』(2015)と続き、今作で通算4枚目。

実力派のミュージシャンが、アルバムごとコンセプチャルに、ジャンルを超えて音楽を縦横無尽に楽しんでいる素敵なバンドで、どのアルバムも聴き応え抜群。フジロックであれば、夜のホワイトステージにフィットしそうだ。トータスやモグワイあたりが好きな人もグッとくるだろう。

とはいえ、今作の『L’été Suivant(レテ・シュイヴァン)』は完全なるシーサイド仕様。なので、難しいことは考えずにのんびりと、グッドミュージックを堪能したいところ。